北朝鮮資金:口座主へ直接返還で調整 使途検証、困難に
【ワシントン笠原敏彦】マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で凍結されていた北朝鮮関連資金約2500万ドル(約30億円)の返還作業が難航している問題で、米国が当初検討していた中国国有「中国銀行」を通した一括返還ではなく、52口座の名義主へ直接返還する方向で調整を進めていることが9日、分かった。米政府当局者を含む複数の関係者が毎日新聞に明かした。
北朝鮮がこの解決策を受け入れるかどうかは不明。第三者である中国銀行の北朝鮮口座への一括送金では、「人道・教育目的」に限定した返還資金の使途を監視する意図もあったとみられるが、BDAから名義主に直接返還した場合、使途の検証は一層困難になる。
米政府当局者は「マカオの法的規制などから中国銀行への一括送金は困難になった。資金は各名義主に返還される方向だ」と語った。52口座の中には北朝鮮以外の外国の名義主もいる。資金移動には各名義主の署名が必要だが、一括返還した場合、マカオ当局を相手に訴訟を起こす意向を示した名義主もいる。
名義主に返還された場合、2500万ドルのうちどれだけが北朝鮮政府の管理下に入るかは不明だ。北朝鮮は、凍結資金の全面的な送金が完了するまで6カ国協議合意での核放棄に向けた「初期段階措置」は履行しない姿勢を貫いている。
グレーザー米財務副次官補は先月19日に凍結資金の全面返還を発表した際、北朝鮮国外の団体・個人の口座も含めて一括返還する超法規的な措置について「マカオの法律に沿って処理される問題だ」と説明していた。
毎日新聞 2007年4月10日 15時00分
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