【主張】拉致実行犯手配 国の威信かけ徹底解明を | trycomp2のブログ

【主張】拉致実行犯手配 国の威信かけ徹底解明を

 警察当局による北朝鮮の拉致事件捜査が急ピッチで進んでいる。

 地村保志さん夫妻を拉致した疑いで国際手配される辛光洙容疑者は、原敕晁さんを拉致した容疑でも手配されている。曽我ひとみさんの証言によれば、横田めぐみさん拉致にも関与した疑いがあり、拉致実行グループの中心人物とみられる。

 蓮池薫さん夫妻拉致事件で手配される「朴」と名乗るチェ・スンチョル容疑者は、日本人に成りすましてスパイ活動を行った「西新井事件」でも手配されていた。その失効していた逮捕状も更新された。

 チェ容疑者が成りすました日本人は北海道出身の小住健蔵さんで、今も行方が分からない。北朝鮮に拉致された疑いが濃厚だ。辛容疑者も原さんに成りすまして工作活動を行っていた。「背乗り」と呼ばれる手口だ。小住さんの行方を含め、捜査当局のさらなる解明が待たれる。

 辛容疑者はいったん韓国でスパイ容疑で逮捕されたものの、南北首脳会談後、北に移送され、英雄扱いされている。チェ容疑者も北にいる可能性が強い。日本政府は改めて二人の身柄引き渡しを北に求めた。

 また、拉致被害者の松木薫さんの家族は、「よど号」ハイジャック犯の妻二人を警視庁に告発した。

 松木さんと石岡亨さんは、スペインで拉致された。その直前、バルセロナで「よど号」犯の妻らと会い、だまされて北に拉致された疑いが濃厚だ。欧州では、有本恵子さんがデンマークから拉致されている。有本さん拉致では、すでに「よど号」犯の魚本(旧姓・安部)公博容疑者が国際手配されている。「よど号」犯やその妻らが関与したとされる欧州ルートの拉致事件解明も急務だ。

 拉致被害者家族会は警察の捜査に大きな期待を寄せている。「ようやく拉致工作員の一番の“元祖”(辛容疑者)の逮捕に国が動き出した」(めぐみさんの母、早紀江さん)、「拉致の犯人を追い詰める圧力を今後も強めてほしい」(田口八重子さんの兄、飯塚繁雄さん)。

 日本の警察の総力をあげ、国の威信をかけた拉致事件の一層の徹底解明を望みたい。
Sankei Web 産経朝刊 主張(02/26 05:00)