『北』とマカオ疑惑の関係  | trycomp2のブログ

『北』とマカオ疑惑の関係 

米の金融制裁で浮上

 米国が行ったマカオの銀行への制裁措置について北朝鮮が反発、制裁を解除しない限り核問題をめぐる六カ国協議に出席しないと主張している。毎日巨額な金が動くカジノ都市マカオは、北朝鮮にとって重要な資金調達基地。裏金の送金や、北朝鮮工作員の教育も行われていた。マカオと北朝鮮の深い闇を探る。  (北京・五味洋治)

 「金融は国家の血管と同じだ」。先月、北京で行われた第五回六カ国協議で、北朝鮮の首席代表、金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官は、珍しく色をなして米国の姿勢を非難した。

 北朝鮮は金外務次官を直接訪米させ、制裁解除を目指す姿勢だったが、米国側が解除に応じないことを知り訪米を中止。「わが方は貨幣の偽造も、いかなる不法行為もない」(十日の平壌放送)とし「米国は六カ国協議を無期限延期にした」(同)と決めつけている。

 北朝鮮はマカオに二十近い企業を置いている。最も有名なのが「朝光貿易」だ。北朝鮮の人民武力省傘下にあり、秘密資金づくりなど各種工作を行っているとされる。二〇〇〇年六月の南北首脳会談の際、韓国の現代グループが北朝鮮の海外秘密口座に計五億ドルを振り込んでいたことが発覚、スキャンダルになった。この時の送金は、朝光貿易総支配人名義の口座あてだった。

 北朝鮮と取引のある中国のビジネスマンは「北朝鮮とのまとまった額の決済は、必ずマカオの銀行に送るよう指示される」と話す。「カジノがあるため巨額な現金取引を行っても怪しまれず、日本円で五千万円程度なら簡単に引き出せるという。北朝鮮はそういう監視の甘さを利用しているのだろう」

 カジノといえば、マカオのカジノ王スタンレー・ホー氏は北朝鮮と親しく、平壌・羊角島ホテルにカジノを開設している。韓国の月刊誌「月刊朝鮮」〇三年四月号は、韓国の情報機関が十数年前、金正日(キム・ジョンイル)総書記がマカオのカジノにいる部下に国際電話をかけ、売買の指示を出す電話を盗聴したと報じた。

 マカオと北朝鮮との資金的なつながりをうかがわせる。

 一方、大韓航空機爆破犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚は、一九八六年八月に偽パスポートでマカオ入りし、半年間にわたって広東語と資本主義社会について学んだ、と明らかにした。

 拉致被害者・曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんは手記で、タイ人女性らがマカオから北朝鮮に拉致されたと公表、マカオ警察は再捜査を開始した。中国当局もマカオの銀行に不正行為があったか調査に乗り出す予定で、北朝鮮とマカオの関係に新たなメスが入るかもしれない。

(メモ)マカオの金融制裁 米財務省は9月、マカオの中国系銀行「バンコ・デルタ・アジア」を「マネーロンダリング(資金洗浄)の主要懸念先」に指定し、米銀行との取引を禁止する制裁措置をとった。米財務省は、同行が北朝鮮当局と結託して偽米ドル札の流通にかかわったほか、偽ブランドたばこや麻薬の密輸に従事する北朝鮮企業の送金などにも関与したとしている。同行は疑惑を否認し、北朝鮮との取引停止も発表したが、その後に取り付け騒ぎが起き、同行は現在、マカオ特別行政区政府の一時的管理下に置かれている。