南北事業継続か「決議に抵触せず」と韓国 米は不快感 | trycomp2のブログ
【ソウル=久保田るり子】韓国政府は15日、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議採択に関して「安保理の決定を歓迎し、支持する」との声明を発表した。だが、金剛山観光や開城工業団地の南北経済協力は決議には抵触しないと判断し、当面は中断しない方向だ。これらの対北事業では巨額の現金が北朝鮮に直接流れるため、米国は不快感を示しており、今後、米韓間に軋轢(あつれき)を生むことも予想される。
核実験発表後の盧武鉉政権は、北朝鮮の要求を最大限に受け入れてきた金大中前政権からの「太陽政策」の功罪を問われ、国民世論から政策見直しを迫られてきた。だが、対北融和政策は盧政権の根幹にかかわる。金剛山、開城両事業の中断は盧政権の自己否定となる。このため、核実験発表直後にはいったん「見直しの必要性」を認めた盧大統領も現在は結論を先送りしている。
国連での協議で中露両国が厳しい経済制裁を留保したことで韓国の融和派は力を得た形となっており、青瓦台(大統領府)や与党ウリ党幹部から「金剛山、開城両事業は継続」との声が強い。政府決定はこれからだが、当面は継続される公算だ。金剛山、開城両事業を運営する旧財閥、現代グループ「現代峨山」の尹萬俊社長は17日に訪朝する予定だ。
米国は「北朝鮮に恩恵を与えるすべての支援プログラムは再検討されるべきだ」(バーシュボウ駐韓米国大使)と、強い懸念を示してきた。両事業で北朝鮮に流れる現金は年間約2000万ドル(約24億円)にのぼる。対北制裁決議は「核ミサイル、大量破壊兵器計画に寄与し得る物資、技術」を禁止しているが、専門家は「現金こそ、このカテゴリーに入る」と指摘する。
米韓間では貨物検査(臨検)、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に韓国が参加、協力するのかも課題になる。米国が主導するPSIにはオブザーバー参加した韓国だが、現状で最も警戒しているのが南北の軍事的な衝突だ。南北対話は7月のミサイル発射後に中断しており、これ以上の関係悪化を回避したい韓国としては臨検やPSIへの参加には消極的だ。
国連決議であいまいな表現となっている部分については「日米との連携」より「南北関係」を選択する方向だ。
【2006/10/16 東京朝刊から】
Sankei Web > 国際 > 南北事業継続か「決議に抵触せず」と韓国 米は不快感(10/16 15:02)
