北朝鮮:独自に判断、あいまい核封印か
【北京・堀山明子】6カ国協議で先月合意した初期段階措置に基づき北朝鮮が来月中旬までに行うことになっている同国北西部・寧辺(ニョンビョン)の核施設の稼働停止・封印について、北朝鮮代表団は独自の判断で封印対象や方法を決め、実施する方針であることが分かった。これに対し他の6カ国協議参加国は対案をまとめられずにおり、封印は北朝鮮の解釈に基づく限定的なレベルにとどまる可能性も出てきた。
先月の初期段階措置合意によると、北朝鮮は「(核燃料)再処理施設を含む寧辺の核施設」を稼働停止・封印し、「北朝鮮と国際原子力機関(IAEA)の合意に従って監視・検証」することになっている。しかし北朝鮮は、先のエルバラダイIAEA事務局長の訪朝時に封印対象や手続きに関する具体案を示さなかった。
複数の6カ国協議筋によると、17、18日に開かれた同協議の朝鮮半島非核化作業部会で北朝鮮は「我々が封印後、IAEAが確認に来ればいい」と主張。IAEAの立ち会いなしで封印を進める考えを明らかにした。
北朝鮮は94年の米朝枠組み合意に基づき、寧辺郊外の泰川で建設中だった20万キロワットの原子炉と、寧辺にある(1)5000キロワットの実験用原子炉(2)使用済み核燃料貯蔵プール(3)核燃料再処理施設(4)核燃料棒製造工場(5)建設中の5万キロワットの原子炉--を凍結した。しかし02年末、IAEA査察官を追放してプルトニウム増産に必要な(1)~(4)の封印を解いて、原子炉再稼働と使用済み核燃料の再処理を行った。
02年の封印解除前の状態に戻すなら(1)~(4)の再封印が求められるが、2月合意で明記されたのが再処理施設だけのため、北朝鮮が最小限の施設しか封印しない可能性がある。
日米韓3国は非核化作業部会の専門家会合で封印対象や方法を協議したが、日米は再封印はもちろん、プルトニウム再処理の過程で利用した核燃料貯蔵庫など新たな施設があるのかを確認し、それがあれば封印すべきだと主張。これに対し韓国は、稼働中の原子炉((1))と再処理施設((3))の封印を確実にすることでプルトニウム増産を阻止できるとし、3国の具体案はまとまらなかった。そのため、「このままいくと封印対象も手続きも、94年の米朝枠組みより低い水準になりかねない」(6カ国協議筋)との危惧(きぐ)も出ている。
毎日新聞 2007年3月21日 3時00分
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