米朝両国:マカオの口座、凍結全面解除で合意
【北京・笠原敏彦】グレーザー米財務副次官補は19日、北京で記者会見し、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で北朝鮮関連の約2500万ドル(約29億3000万円)の凍結を全面解除し北朝鮮に返還することで米朝両国が合意した、と発表した。資金は北京にある国有商業銀行、中国銀行の北朝鮮口座に移され、同国の人道・教育面に利用される。北朝鮮の提案を米国が受け入れたもので、6カ国協議の障害は取り除かれ、核施設の稼働停止・封印などの合意履行に向け大きく前進すると見られる。
グレーザー副次官補は6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補と滞在先のホテルで記者会見した。副次官補は「米国と北朝鮮は凍結口座の処理で(共通の)理解に達した。北朝鮮は(凍結解除された)資金はすべて北朝鮮市民の生活向上、特に人道と教育目的に使うと約束している」と語った。
同副次官補によると、北朝鮮は過去に2度開かれた米朝金融協議で、BDAの資金凍結を解除して中国銀行へ移し、人道問題などに使うことを提案。ヒル次官補は「問題解決の基礎になると判断した。米国は30日以内にBDA問題を解決するという約束を守った。我々は(核施設の稼働停止・封印など)60日以内の合意履行に向け前進しなければならない」と述べた。
凍結が解除される約50口座には北朝鮮国外の団体・個人の口座も含まれる。そのすべてを北朝鮮に「返還」することについて、グレーザー副次官補は「マカオの法に沿って処理される問題だ」と説明した。
凍結解除と資金の移転は、「可能な限り迅速」(ヒル次官補)に行われる取り決めだ。しかし、北朝鮮が資金を本当に人道・教育目的に使うかどうかの「保証はない」(グレーザー副次官補)のが実態で、米国は今後も対話を続ける中で約束履行を検証していく必要がある。
また、BDAは米愛国者法311条による「マネーロンダリング(資金洗浄)の主要な懸念先」の指定が続く。
同問題では北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官が17日、凍結が全面解除されなければ、6カ国協議で合意した核施設の稼働停止・封印などに応じない姿勢を改めて強調。凍結の部分解除の場合、6カ国協議の障害になることが懸念されていた。
毎日新聞 2007年3月19日 11時41分 (最終更新時間 3月19日 13時03分)
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