家族会訪中 より強固な対北包囲網を | trycomp2のブログ

家族会訪中 より強固な対北包囲網を

 拉致被害者家族会と支援組織「救う会」のメンバーが中国を訪問した。拉致問題などについて中国の学者らと意見交換する。中国は北朝鮮に強い影響力をもつ国だ。1978年、マカオから中国系女性2人が北に拉致された疑いもある。

 その中国で拉致問題を訴えることは、被害者救出への対北包囲網を形成する上で、大きな意味をもつ。

 最近までの中国は北に対して融和的な姿勢を示してきたが、先月、北がミサイルを発射して以降、中国の銀行も米国に続いてマカオの北に関係する口座を凍結するなど、中国の対北姿勢が微妙に変化している。中朝国境での中国当局による北からの覚醒(かくせい)剤密輸などの取り締まりも強化されている。

 中国自身、国内に人権問題を抱えており、そこで拉致問題を訴えることの難しい面もあるが、日本の家族会との意見交換により、拉致問題でも、中国の対北姿勢が少しでも厳しい方向に変わることを期待したい。

 米国では、拉致事件をテーマにしたドキュメンタリー映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」が上映され、高い評価を得ている。北に拉致された横田めぐみさんの救出を求めて懸命に闘う家族の姿を中心に描いている。

 監督は「大多数の米国人と同じように全く拉致事件を知らなかったが、知って大きな衝撃を受けた」「フィクションよりさらに奇妙な信じられないストーリーだ。しかも現実に起きたことだった」と制作動機を語っている。

 今春、めぐみさんの母、早紀江さんは米下院公聴会で証言し、ブッシュ大統領とも面会し、めぐみさんらの救出を訴えた。さらに、この映画を通じ、北の非道な行為に対する怒りと悲しみを多くの米国民と共有したい。

 めぐみさんの両親は今月12日、青森市で拉致事件解決を訴え、全国を一巡した。25日には、拉致問題への国際理解を深めるため、居住する川崎市と友好・姉妹関係にある海外の8市にあてた手紙を阿部孝夫市長に託した。

 めぐみさんらが北に拉致されてから四半世紀が過ぎ、小泉政権になって、ようやく5人の拉致被害者とその家族が帰国を果たしたが、まだ、全面解決にはほど遠い状況だ。9月の自民党総裁選で、各候補者は拉致事件解決についても明確に語るべきだ。
Sankei Web 産経朝刊 主張(08/28 05:00)