第3次小泉改造内閣 安倍氏「ポスト小泉」試練 | trycomp2のブログ

第3次小泉改造内閣 安倍氏「ポスト小泉」試練

第三次小泉改造内閣が発足し、「ポスト小泉」レースの火ぶたが切られた。安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相の有力候補三氏に加え、小泉純一郎首相の構造改革路線を主導してきた竹中平蔵氏も総務相で処遇された。各氏は、改革を競い合いながらリーダーとしての器量を国民にアピールすることになる。

 「構造改革を前進させるため全力を尽くしたい。大変緊張している」

 政治的節目に締める赤い「勝負ネクタイ」で、官房長官として初の記者会見に挑んだ安倍晋三氏。内閣の要役に抜擢(ばつてき)されたことで、ポスト小泉最有力となったとの見方が広がるが、安倍氏の表情は終始厳しかった。

 安倍氏にとって官房長官ポストは「想定外」だった。入閣は確実視されてきたが、経済産業相、厚生労働相などへの就任が濃厚とされ、自らもそう考えていたからだ。

 ただ、小泉政権で官房副長官を約二年半務めた経験もあり、官房長官は安倍氏にとって「一度はやってみたいポスト」だったことは間違いない。

 その裏には、官房副長官時代の忸怩(じくじ)たる思いもあった。日朝交渉、集団的自衛権をめぐる政府解釈、代替追悼施設問題、ジェンダーフリー…。安倍氏は、事あるごとに当時の福田康夫官房長官とぶつかり、ほぞをかんだ。「官房長官っていうのは、閣僚五人分くらいのパワーがあるんだよな…」。当時、安倍氏は周囲にこう漏らした。

 小泉政権になり、官邸の権限は大幅にアップ。政策の大方針は常に首相から発せられ、外交もトップ会談で決着をつけることがほとんどになった。それだけに調整役となる官房長官の役割は大きい。中でも安倍氏がこれまで積極的にかかわってきた人権擁護法案や過激な性教育問題、北朝鮮への経済制裁問題などにどう対応していくか。安倍氏の政治信条そのものを問われるだけに注目される。

 「政府のスポークスマン」としても真価を問われる。特に安倍氏は、対北朝鮮外交、対中外交で強硬派と知られ、首相の靖国神社参拝を支持し続けてきただけに、会見でも早速、厳しい質問が相次いだ。

 --首相の靖国神社参拝にどう対応するか

 「首相は一国民として個人の心情で参拝されている。私も一国民として政治家として参拝してきたが、今までの気持ちをこのまま持ち続けたい」

 --靖国神社の歴史認識をどう考えるか

 「歴史認識に立ち入ることは差し控えたい」

 安倍氏は一歩も引かなかったが、今後も一日二回の記者会見ごとに厳しい質問が続くことも予想される。

 一方、官房長官は、首相の外遊中や緊急時対応のため週末も東京にとどまらざるを得ないケースが多く、総裁選の「選挙運動」が制約されるというマイナスもある。

 「安倍チルドレン」と言われる若手議員たちをどうやってもり立てていくのかという課題もある。特に拉致議連、平和靖国議連、真の人権擁護を考える懇談会-などは、郵政民営化法案をめぐり、造反組が大量に出て存亡の危機を迎えているだけに深刻だ。

 「ポスト小泉」について、「今は職責を全うすることだけを考えたい」とかわした安倍氏だが、吹く風は順風だけではないようだ。(石橋文登)

Sankei Web 産経朝刊 第3次小泉改造内閣 安倍氏「ポスト小泉」試練(11/01 05:00)