100キロ、3億円 逮捕の組長売りさばく 貨物船で覚醒剤密輸 | trycomp2のブログ
工作船事件関与?韓国籍の男「北」に太いパイプ
平成十四年十月に、北朝鮮の貨物船「ツルボン1号」が利用され、覚醒(かくせい)剤数百キロを島根県に密輸入したとして逮捕された指定暴力団極東会系組長、宮田克彦容疑者(58)が、このうち少なくとも約百キロを日本国内の暴力団関係者に売りさばき、三億円前後を得ていたことが十二日、警視庁と鳥取県警などの調べでわかった。関係者が「覚醒剤は東京まで運び、埼玉の倉庫に保管した」と供述していることも判明。別の事件で逮捕している暴力団関係者数人が覚醒剤の陸揚げや東京への運搬に関与したとして来週中に逮捕する。
同年十一月下旬には、鳥取県の海岸に約一キロ入りの小袋に分けられた覚醒剤約二百七キロが漂着していたが、同時期に近くの沖合を「ツルボン1号」が航行していたことも判明。この漂着でも同船や宮田容疑者らが密輸入を図り、回収に失敗したとみて追及する。
宮田容疑者は覚醒剤の受け取りや国内密売の首謀者で遊漁船業の権田修容疑者(54)は海上で覚醒剤を回収する「瀬取り」役、韓国籍の禹時允容疑者(59)は「北」との連絡役。覚醒剤は北朝鮮の清津港から「ツルボン1号」で積み出され、島根県付近の海上で投下。権田容疑者の釣り船で回収し、十四年十月九日、同県の安来港に陸揚げした疑いが持たれている。
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禹時允容疑者は自沈した北朝鮮工作船から回収された携帯電話の持ち主とされ、覚醒剤密輸で日本の暴力団と「北」をつないだキーマンとみられる。一方、北の外貨獲得策は、覚醒剤から偽ブランドたばこの製造にシフトしているとされる。
▼【通話記録】 平成十三年に奄美大島沖で海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末に北朝鮮工作船が自沈。船内から回収されたプリペイド式携帯電話に、禹容疑者の親族の自宅、さらには松葉会や極東会といった暴力団関係者との間でのべ百三十五回の通話記録が残されていた。別の事件で、禹容疑者から押収した携帯にも暴力団との覚醒剤取引を示唆するメールが残されていた。
自沈した工作船は逃走中に多数の黒い袋などを海に捨てており、十年に東シナ海で日本の暴力団と覚醒剤を洋上取引した工作船と同一だったため、海保は「覚醒剤運搬用」と断定している。
「新田」や「新井」と名乗る禹容疑者は平成三年に国籍を朝鮮籍から韓国に変えた。北への盗難車輸出未遂事件でも過去に逮捕され、関与の暴力団組長に「福岡で北の軍関係者を接待する」と話していたとされる。
北に太いパイプがあったようで過去五年に計八十二回にわたって出入国。「うち四十回以上、北朝鮮に入った」(捜査幹部)
▼【3年連続ゼロ】 北では、覚醒剤の密輸出など外貨獲得につながる対外工作は朝鮮労働党の「39号室」が主に管理しているとされる。十二日に鳥取・境港で捜索された貨物船「ツルボン1号」は北の貿易会社の所有。「39号室」は外貨獲得で貿易会社に指示を出しているという。
北の覚醒剤は純度が高く、警視庁によると、卸値で一キロ三百万円から四百万円と相場の一・五倍から二倍の高値が付くという。ただ、警察庁のまとめでは、北を積み出し地とする一キロ以上の覚醒剤の押収は、平成十五年から昨年までの三年間は連続ゼロ。
米国の取り締まり機関関係者は「情報衛星や船舶などを活用した日米連携の監視網が強化されたため」などと、指摘する。
▼【シフト】 最近の北の外貨収入源とみられるのは偽ブランドたばこだ。十五年ごろから、米国内で流通が拡大したとみられている。
米国務省の現状報告では「マルボロ」の北製偽たばこが流通し摘発された事件が、十四年から十七年までの間に約千三百件発生。北国内で少なくとも一棟の偽造工場が確認され、「年間数十億箱の生産能力があるとの推計もあり、最大の外貨獲得源に成長している」(在日米当局筋)。もっとも、日本の公安当局や米当局は偽たばこへの取り締まりを厳格化させた場合、再び覚醒剤などの薬物密輸を本格化させる可能性もあるとみている。
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Sankei Web 産経朝刊 100キロ、3億円 逮捕の組長売りさばく 貨物船で覚醒剤密輸(05/13 05:00)
