民団総連和解:「統一へいい流れ」在日コリアン歓迎 | trycomp2のブログ
在日韓国・朝鮮の両団体中央本部のトップ会談実現が明らかになった16日、全国のコリアンタウンなどは「歴史的な和解」と、歓迎する声に包まれた。一方で草の根レベルでは既に「ワンコリア」を目指した取り組みが進んでおり、冷静に受け止める人も目立った。
関東有数の在日コリアン多住地域の川崎市。拉致問題発覚後に朝鮮学校前で生徒の見守り活動をするなど、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)側と交流を進めてきた在日本大韓民国民団(民団)川崎支部常任顧問の李仁夏(イインハ)さん(80)は「かつては支部レベルでも、両団体の幹部の家に汚物を投げ込むような激しい対立があった。和解は朝鮮半島、北東アジアの平和にもつながる。日本人も共に喜び、見守ってほしい」と呼びかけた。
在日コリアンの権利確立を求めて草の根の運動を続ける同市川崎区の金秀一(キムスイル)さん(44)は「これまで指紋押なつ問題や福祉施策などの行政交渉の際、民団と総連から『連名は困る』と協力を断られることがあった。和解は市民にとってもメリットが大きい」と話した。
約15万人の韓国・朝鮮籍者が暮らす大阪。85年から大阪市内などで「ワンコリアフェスティバル」を開いている鄭甲寿(チョンガプス)さん(51)は「民団の変化が大きいが、両団体は地方レベルでは仲良くやっている。やっと南北交流の流れが在日組織の中央に及んだ」と評価。大阪市生野区の韓国料理店員で在日3世の文公美(ムンコンミ)さん(26)は「私たちの世代は、対立を意識せず友達付き合いをしてきた。でも、親の世代では画期的なニュースなんでしょうね」と話した。
多くの在日コリアンが住む東京都新宿区大久保で、焼き肉店を経営する在日韓国人2世の高英気さん(68)は「長年の夢である『祖国統一』に向けて、いい流れが出来たのではないか」と笑顔を見せる。一方、韓国から来日して10年目の飲食店経営、朴正湖(パクジョンホ)さん(32)は「悪いことではないが、今さら和解をして何の得があるのか。祖国では、経済格差など環境が大きく違うので、統一は難しいと思う」と疑問を投げかけた。
東京都北区の東京朝鮮中高級学校(具大石(クデソク)校長)は、約900人の在校生のうち朝鮮籍と韓国籍がほぼ半分だ。ある教員は「個人的には喜ばしい」と語りつつも、「国籍は違っても一緒に勉強してきたし、教育現場に大きな影響はない。改めて生徒に説明したり、教育体制を改編することもない」と冷静に話す。
朝鮮総連北海道本部(札幌市中央区)の朴鐘民(パクチョンミン)委員長(53)は「(総連、民団とも)私が小さいころはみな貧しく、おかずを分け合ったりして助け合った仲間だった。和解協議まで私の人生とほぼ同じだけ期間を要したと思うと長かった」と感慨深げ。
在日韓国人2世で約30年前に日本に国籍変更した福岡市東区の高原声鶴(せいかく)さん(70)は「差別や偏見をなくすために、民団と総連が協力し合ってほしい」と期待を込めた。自らが受けた就職差別などの経験から、「子供に同じ目に遭わせたくない」との思いを強め、日本国籍を取得した高原さん。住んでいる築約30年の在日コリアン向け市営団地には約90世帯が入るが、若者の就職先は運転手や廃棄物処理などに限られている。
APU立命館アジア太平洋大(大分県別府市)の常勤講師として、留学生らに日本語との通訳技術を教える韓国出身の許南薫(ホナムフン)さん(42)。15年前、「総連は敵だ。近づくな」と周囲に言われて来日したが、同校に多い朝鮮学校出身の学生らと接することで、自然と疑心暗鬼の念も消えていったという。「好奇心でもいい。相手に近づかないと何も始まらない」と許さん。「民団と総連の和解は、両国に伝わってこそ意味がある」と言った。
毎日新聞 2006年5月16日 23時57分 (最終更新時間 5月17日 0時01分)
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