拉致指令は「母子一緒に」北の工作組織関係者が供述
1973年12月に行方不明になった渡辺秀子さん(当時32歳)の子ども2人が拉致されたとされる事件で、東京都内の貿易商社「ユニバーストレイディング」を拠点にしていた工作員組織が、北朝鮮本国から「母子3人を北朝鮮に送り込め」と指示されていたことがわかった。
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同社関係者が警察当局に供述しているという。「春先に日本海側から拉致しようとした」と証言する関係者もいることから、警察当局は、母子3人は74年春ごろまで国内に監禁され、その後、何らかの理由で渡辺さんは殺害され、2児だけが拉致された疑いが強いとみている。
警察当局によると、ユニバーストレイディングには、渡辺さんの夫も含め10人程度の工作員が社員として在籍。リーダー格だった渡辺さんの夫が、73年6月に失跡してから、同社が78年ごろに活動を停止するまで、同社役員の女(59)がリーダーを務めていた。
この組織の実態について、同社関係者の一人は、警察当局に対し、「工作員たちは京都や福井、新潟の海岸から頻繁に北朝鮮に渡っていた」と証言し、役員の女が密航場所としていたのは「福井県小浜市の海岸だった」と明らかにしたという。
さらに、この関係者は、渡辺さん母子について、「北朝鮮に渡った工作員が、『3人とも北朝鮮に送り込め』との指示を受けて日本に戻ってきた」などと供述。別の関係者も、「春先に日本海側から拉致しようとしたが、海が荒れていたのでできなかった」などと話した。
警察当局では、渡辺さんの知人が「74年3月に渡辺さんから電話があった」と証言していることなどから、2児が拉致されたのは同年5~6月ごろで、役員の女が密航場所として使っていた小浜市内の海岸から連れ出された可能性が高いとみている。
拉致指令は「母子一緒に」北の工作組織関係者が供述 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)