国連人権委:「国家機関の拉致」禁止、条約草案まとめる | trycomp2のブログ

国連人権委:「国家機関の拉致」禁止、条約草案まとめる


 【ジュネーブ大木俊治】国家機関による拉致行為などの禁止をうたった「すべての人を強制的失踪から保護するための条約」の草案が23日、国連人権委員会の作業部会で固まった。来年5月の国連人権委員会で審議したうえで来秋の国連総会で採択を目指す。成立すれば、北朝鮮による日本人拉致など、国家機関が個人を秘密裏に拘束することを禁止する初めての国際条約となる。 草案は全34条。国家機関または国家の許可・支持・黙認を受けた個人や集団が、(1)逮捕・拘束・誘拐など個人の自由をはく奪し(2)拘束した個人の居場所や消息を秘匿し(3)拘束された個人を法の保護の外に置く行為を「強制的失踪」と定義。こうした行為を「例外なく」禁止し、犯罪として処罰することを各国に義務づけている。戦争や内戦などの「公共の非常事態」を正当化の理由にすることも認めていない。 また、拘束した場合はその所在や消息を国家が家族らに伝えること、国家が応じない場合は条約順守を監視する常設委員会に家族らが訴える制度なども定めている。 一方で、プライバシーの侵害や個人的報復などの恐れがある場合は例外的に情報を非公開とすることも容認。南米諸国や人権非政府組織(NGO)は「国家の違法行為の抜け道になる」と批判している。 条約交渉は、かつて軍事独裁政権の弾圧で多くの反体制活動家が行方不明になったアルゼンチンやチリなど南米諸国が提唱し02年に開始。日本も北朝鮮による拉致事件を受けて、策定作業に積極的に参加した。 条約は成立後、20カ国の批准で発効。各国は加盟から2年後に委員会に国内法の整備状況を報告し、審査を受ける。しかし、非加盟国には適用されないなど実効性への懸念も残されている。
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