【どうする拉致】来年は田口八重子さんら10人、拉致から30年

政府認定の拉致被害者17人のうち、田口八重子さん=拉致当時(22)=や増元るみ子さん=拉致当時(24)ら10人が拉致されてから来年で30年を迎える。
30年前の昭和53年は北朝鮮による拉致が頻発した時期だが、帰国できたのは、10人のうち蓮池薫さん(50)、(奥土)祐木子さん(51)夫妻ら5人にとどまっている。北朝鮮は残りの5人について「死亡」「未入境(北朝鮮に入っていない)」と説明。「拉致は解決済み」との姿勢を崩しておらず、進展の兆しは今だ見えていない。
53年6月には、田口八重子さんと田中実さん=同(28)▽7月には蓮池さん夫妻と地村保志さん(52)、(浜本)富貴恵さん(52)夫妻▽8月は曽我ミヨシさん=同(46)=とひとみさん(48)母子と市川修一さん=同(23)、増元るみ子さん=同(24)-が北朝鮮に拉致された。
このほかにも同年8月には、富山県高岡市でアベックの拉致未遂事件が発生。被害者に手錠をかけて猿ぐつわをはめ、布袋をかぶせるといった手口などから、北朝鮮の工作員が拉致しようとしたとみられている。
また、53年には欧州で有本恵子さん=当時(23)=を拉致したキム・ユーチョル工作員が別人名義で日本に入国、工作員に拉致を含めた工作活動を指示したとみられる。同年にはアベックの拉致被害が集中。カップルを拉致して一緒に生活させれば精神的に安定することや、子供ができれば人質にできることなどが理由とされる。
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帰国できていない5人の被害者をめぐり、北朝鮮は拉致を認めた平成14年、田口さんについて「宮崎市の海岸で田口さんが『3日程度なら観光がてら北朝鮮へ行きたい』と言ったので拉致した」と説明。市川さんと増元さんについては「鹿児島県の吹上浜キャンプ場で工作員が語学養成のため拉致した」としている。
一方、田中さんと曽我ミヨシさんについては「北朝鮮へ入境していない」と拉致そのものを否定している。
今年10月、首相に就任後初めて被害者家族らと面会した福田康夫首相は、「被害者には一日も早く帰っていただきたいという思いで努力している」と拉致問題解決へ強い決意を表明した。
福田首相は「(交渉には)いい時期になってきた」「当たり前のことを北朝鮮にやってもらいたいと強く求める」と毅然(きぜん)とした態度で交渉する姿勢を示したが、依然として交渉の糸口はつかめず、打開策は見いだせないままだ。
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