国連拉致決議 北朝鮮包囲網を強めよ | trycomp2のブログ
国連で人権問題を扱う第三委員会が、北朝鮮による外国人拉致を「組織的な人権侵害」と非難する決議案を採択した。
同様の決議は、ジュネーブの国連人権委員会で二〇〇三年から三年連続で採択されているが、国連総会では初めてだ。決議に法的拘束力はないとはいえ、北朝鮮による拉致事件は許さないという国際社会の強い意思表示である。
北朝鮮は「政治目的に人権問題を乱用している」と反発を強めているが、国際社会の理解は得られまい。決議を真剣に受け止め、日本人をはじめとしたすべての外国人拉致事件の解決に早急に取り組むべきである。
今回の決議は欧州連合(EU)が音頭を取り、日本や米国などが共同提案国に加わった。EUは、英国など加盟国の多くが北朝鮮と国交を開き、友好関係を結んでいる。そうした国々が北朝鮮の行為は看過できないとして賛成票を投じた意義は大きい。
決議に至るまでに、日本人拉致被害者家族会の血のにじむような活動があったことを忘れてはならない。家族会は〇一年から国連人権委に非難決議要請を繰り返し、米国政府に深刻な被害実態を訴えてきた。今回の採択は、家族の悲痛な声が国連を動かした結果といえよう。
曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの著書などによると、拉致被害国は日本のほかにタイやレバノン、ルーマニアなど十一カ国に上るとみられる。
中でも最近明らかになったタイ人女性は、一九七八年にマカオから拉致された疑いが濃厚だ。日本の被害者家族会は今月、タイで家族と面会し、女性の失踪(しっそう)を確認している。
小泉純一郎首相は韓国で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の際に、タイのタクシン首相と情報交換などで協力することを合意した。日本政府はこれをきっかけに他の被害国にも連携を呼び掛け、国際的な取り組みを強化する必要がある。
第三委員会の決議は国連総会に送られ、来月の全体会議で採択される見通しという。そうなれば、北朝鮮に対する国際包囲網はより強固なものとなる。
日本の被害者家族は高齢化が進み、焦りを深めている。拉致問題の解決に一刻の猶予も許されない。他の被害国の家族が置かれている状況も同じだろう。
国際社会の総意である国連決議は、不誠実な対応を続ける北朝鮮には大きな圧力となるはずだ。日本政府は国際包囲網の先頭に立ち、拉致問題の全面解決に全力を挙げなければならない。
新潟日報 NIIGATA NIPPO NEWS
