ブッシュ外交、手詰まり 対北朝鮮、見えぬ熱意 | trycomp2のブログ

ブッシュ外交、手詰まり 対北朝鮮、見えぬ熱意

 ブッシュ米大統領は28日の一般教書演説で、北朝鮮問題に一切言及せず、東アジア外交にも沈黙を守った。イラク問題では米軍増派戦略で自賛を繰り返したものの、新機軸を打ち出すことはできなかった。残り任期は1年を切り、ブッシュ外交に手詰まり感が際立っている。

 キューバ、ジンバブエ、ミャンマー(ビルマ)……。この日、大統領が「自由」の拡大を求めた国々の中に北朝鮮の名は昨年に続いて見当たらなかった。就任後初の一般教書演説で北朝鮮をイラク、イランと並ぶ「悪の枢軸」と呼び捨てた6年前と比べると、すっかり様変わりだ。

 なぜ、ひと言も触れなかったのか。6者協議への影響を考慮し、北朝鮮への刺激を意識的に避けた可能性は十分にある。

 背景にあるのは、対北朝鮮政策を巡るブッシュ政権内部の対立だ。米政府は昨年、北朝鮮との対話路線に大きくかじを切った。だが、昨年末が期限だった核計画の申告に北朝鮮が応じず、対北朝鮮強硬派による揺り戻しの兆候が出ている。

 レフコウィッツ北朝鮮人権担当特使が今月半ば「ブッシュ政権の任期内に非核化は達成できない」として、6者協議見直しを提唱。対話を進める国務省が強く否定するなど、政権内の不一致が浮き彫りに。この日の大統領自身の言葉に関係者の注目が集まっていた。

 ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のマイケル・グリーン前上級アジア部長は「北朝鮮問題に口をはさまないよう、国務省がホワイトハウスを説得したのだろう」と見る。朝鮮半島問題に詳しいアジア財団のスナイダー上級研究員は「ホワイトハウスが朝鮮半島非核化の希望をまだ捨てていないことを示した」と分析する。

 一方、国務省当局者は「対北朝鮮政策に変化がないため」と説明。ライス国務長官が6者協議を通じた解決を強く支持、大統領も動きを見守る構えで、あえて触れなかったという論理だ。

 だが大統領自身に、政権の「遺産づくり」の一環としてこの問題に取り組もうという熱意がうかがえなかったのは明らかだ。東アジアだけではなく、経済面での競争相手である中国やインドの台頭に触れることもなかった。

 対照的に、ブッシュ氏が強い意欲を示したのが中東和平だ。今月歴訪したばかりのイスラエルとパレスチナの間で年内に和平合意を実現するよう、「できる限りのことをする」と約束した。

 だが、パレスチナ側で和平への障害となりそうなイスラム過激派ハマスの存在には触れず、具体的な道筋も示せないまま。イラク問題では性急な米軍撤退を求める声にクギを刺し、撤退問題は次の政権に「負の遺産」として引き継がれることになりそうだ。
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