北朝鮮、シリアと核協力? 米紙など疑惑指摘
◆イスラエル軍機領空侵犯で波紋
【ワシントン=立尾良二】米メディアがイスラエル軍機によるシリアの領空侵犯事件を、北朝鮮による対シリア核協力疑惑に関連付けて報じ、関係国の間に波紋を広げている。ライス米国務長官は十九日、報道について一切コメントせず、北朝鮮の核拡散問題を解決するためにも六カ国協議の進展が必要と原則論を述べた。
事の発端は六日、イスラエル軍機がシリアの領空を侵犯した事件。イスラエルは事件について何も語らず、シリアはイスラエル軍機が対空砲から逃れようと機体を軽くするため爆薬と燃料タンクを落としたが、「被害はなかった」と公表した。
しかし、米紙ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどが、シリアと北朝鮮の核開発協力疑惑を相次いで報道。米CNNテレビは、イスラエル軍機がシリアの武器庫を空爆したと伝え、その後、核施設ではないかとの報道が続いた。
さらにローマのAP通信は、米国務省高官の話として「イスラエル軍機は標的を攻撃した。シリアは極秘で大勢の(核関連物資の)供給者を抱えているもようで、最近は北朝鮮の技術者がシリア国内にいたようだ」と伝えるなど、両国の核協力疑惑をめぐり報道が過熱している。
ライス長官は十九日、中東へ向かう機中で、記者団がシリアと北朝鮮の疑惑を問うと「この件に関する記事についてはコメントしない」と述べた上で、北朝鮮については「初めから核拡散を懸念しており、すべての核計画を放棄させる必要がある」と強調した。
シリア側は十九日、「でっち上げ記事には価値も真実もない」と報道を否定。北朝鮮側も十六日、「根拠のない話であり言うことはない」と全面否定した。アラブ諸国のメディアは、イスラエルを擁護する米政府に対し、「イスラエル軍機のシリア領空侵犯は国際法違反だ。なぜ米国はイスラエルを非難しないのか」と疑問を呈している。
中日新聞:北朝鮮、シリアと核協力? 米紙など疑惑指摘:北朝鮮問題(CHUNICHI Web)