経済統合へ発展を   ADB総裁 アジアの針路議論 | trycomp2のブログ

経済統合へ発展を   ADB総裁 アジアの針路議論

 4日から始まったアジア開発銀行(ADB)京都総会の公式行事では、アジアで本格化する環境対策や地域主義の台頭などについて意見を交わすセミナーがあり、グローバリズムの中でアジアが進むべき道筋を探った。

 環境対策を取り上げた「アジアの都市 環境管理と資金調達面での挑戦」のセミナーには、各国政府関係者ら200人余りが出席し、ADBの投資先での開発で課題となる環境保全や地域性の尊重を議論した。

 シンガポール環境庁のサイモン・セオン・チータイ氏や中国・上海市の姜平副秘書長がそれぞれリサイクル制度導入や下水道整備などの取り組みを紹介し、海外資本の投資余地が大きいと強調した。豪マッカリー銀行のニコラス・グランバス氏は「政治的リスクが上がれば投資コストも上がる」とし、政府の役割の重要性を指摘した。

 また、急激な経済成長や都市化による交通渋滞も課題に浮上し、国際連合地域開発センターの小野川和延所長は、京都市も4月に推進を表明したEST(環境的に持続可能な交通)の各都市での導入を提唱した。

 アジア通貨危機から10年の節目を受けて開かれたセミナー「勃興(ぼっこう)するアジアの地域主義」では、黒田東彦ADB総裁が「市場主体の地域主義を力を合わせて経済統合にまで発展させたい。理想と現実を両立させる長期ビジョンが必要であり、短期的には現実的に、長期的には楽観的に臨むべきだ」と問題提起した。
 中国社会科学院世界経済政治研究所の余永定所長は「地域協力がなければ、アジアの国々は投機筋の攻撃の的になる」と発言。また、国際通貨研究所の行天豊雄理事長は「真の意味の地域統合のためには、政治的な高いレベルでの意見の一致が必要」と指摘した。

京都新聞電子版