北「テロ支援」解除には人権問題進展が必要
【ワシントン=有元隆志】レフコウィッツ米北朝鮮人権問題担当特使は22日、産経新聞との電話インタビューで、北朝鮮をテロ支援国家指定から解除するには、核問題だけでなく人権問題での進展も必要だと強調した。日本人拉致事件に関しても、解決済みとする北朝鮮の姿勢を「容認できない」と批判した。一方で、北朝鮮との民間交流の一環として、同国が米名門オーケストラを招待したのと同様に、米国も北朝鮮の芸術家らを近く招待する可能性があることを明らかにした。
米朝両国は来週以降、米朝関係正常化作業部会を行う。同特使は「米国の最も重要な政策のひとつが人権問題であり、この問題で進展がない限り、北朝鮮との正常化があるとは思わない」と語った。
拉致事件についても、「北朝鮮政権の不法行為の象徴で、非常に重要な問題だ」と、テロ支援国家の指定解除に当たって考慮する考えを示した。
6カ国協議の2月合意では、米国が指定解除の作業を開始することが盛り込まれており、米国が金融問題に続き指定解除問題でも譲歩するのではないかとの懸念がある。
同特使は、米朝協議には出席しないものの、人権重視の米政府の基本方針に改めて言及することで、北朝鮮側を牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。
レフコウィッツ特使は同時に、ニューヨーク・フィルの公演など北朝鮮との民間交流のほかに、ラジオなどを通じて正確な情報を北朝鮮国民に伝える必要性も指摘した。
特使は中国国内にいる脱出住民(脱北者)については、「(来年の北京五輪に向け)中国政府の処遇に対して国際社会の注目が増すだろう」と、中国側にクギを刺した。
昨年12月末に中国・瀋陽で逮捕された脱北者6人を中国政府が釈放したことには歓迎の意向を示しつつも、引き続き、脱北者の処遇改善を求めていく方針を表明した。
米国の北朝鮮人権法に基づき近い将来、アジアにいる脱北者数十人を米国が受け入れることになるとの見通しも示した。
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