雨の日の天才軍師
いるじゃないですか、天才って。
天の才って。
今日は、そんなお話です。
みなさんは電車の中といえば、何を思い浮かべるでしょうか?
なんだって? 三菱製のボイラー?
そんな想像するヤツいねぇよ! ボケッ!
じゃあ、はい、そこのあなた。
………そう! 正解!
携帯ゲーム機ですね。はい正解。
というわけで、雨と風の先日の話、電車の中でDSをプレイする大人が一人いたんです。(ここにね)
プレイしているソフトは、三国志大戦・天です。
これがね、なかなかね、はまるんですよね。陣形と計略を巧みに組み合わせた作戦が決まると、
ほんっと気持ちいいですね。呂布を開始5秒で撤退させたときなんて、あんた!
……はい、そういうわけです。
で、まぁ帰宅時の電車、雨つゆのしたたる傘があちこちに見える車中、
もくもくと手すり横の席で、DSをつついていました。
すると、妙に熱っぽい視線を感じました。
あれ、これはもしかして、恋する視線かな? 或いは目から怪光線かな? 後者だったら死んでるな
と思いつつ、視線の出先を探すと、なんと、
いるんですよ。
私のスグ横に、小学生が。
いかにも「ハカセ」と呼ばれていそうな、メガネで半ズボンの小学生が
手すりから大きく身を乗り出す格好で、私のDSを覗き込んでいるんです。
こ、このやろう。
いくら小学生といえど、この、巧みなタッチペン裁きによる軍隊操作をそうそう見せてやるものか。
と。
覗き込まれているという嫌悪感が、私の腕を動かしていました。
ちょっと角度を深くして、覗き込めない感じでプレイすることにしたんです。
が、
さすがそこは小学生のやんちゃさですよ。
もう維持でも見てやろうという意気込みで、凄まじい不自然な体位になってまで、
DSを覗き込んでくるのです。
そうくるか。
かくなる上は、必殺技を出すしかないな、と。
DSをパタンと閉じてやりました。
さぁ、どうする。
覗き込むものがなければ、さしものハカセも手が出まい。
そう、
甘かったんです。
私は、この小学生のポテンシャルを測り損ねていました。
それが、今回の敗因と言ってイイでしょう。
小学生を、ハカセを侮っていたことが、まだ私の甘いところです。
DSを閉じられてしまった小学生は、
手に持っていた傘で、床に落ちている水玉をツイーツイーと広げ始めたのです。
ははぁん、DSの画面を見られないものだから
退屈しのぎに傘で手悪さしてるってわけだな。
ハカセといえど、まだ若いな。
しかも、かなりその水玉広げ遊びに夢中になっている様子で、
いつのまにやら、私の横から、彼は離れていました。
さあ、DSさん、続きをやりましょうか。
と、
私は、槍隊の張飛を突撃陣形の呂布にぶつけようと、攻城に向かっていた張飛を反転させました。
さらに、その張飛に呂布を釘付けにしている間に、神速の計略を使って夏侯淵を一気に、敵城門になだれ込ませようとタッチペンを動かしました。
しかし! なんとしたことでしょう。呂布も神速の計略を使って、夏侯淵の方を追うじゃありませんか。
(しまった! 夏侯淵をダシに、張飛で攻城すべきだったか! なんていう浅はかさだろうか!)
結局呂布に、夏侯淵・張飛と順にやられ、私は負けてしまったのです。
負け戦の悲しみから、ぼんやりと目が床を向いてしまう私でしが、
そこで見た映像に衝撃を受けました。
なんと
さきほどのハカセが傘で床の水をなぞっていた軌跡が、
ものの見事に、私が正しく動かしていれば負けなかったであろう、張飛と夏侯淵の移動軌跡だったのです!
ハ、ハカセッ!
君というやつは、たったひと目で、正しい軍略を見抜いていたなんて……。
孔明と呼ばせてください。
ハカセ!
P.S
11月15日はコミティア90。ぬ26aブースで新刊とフリーペーパーと福袋を引っさげて待ってます!
天の才って。
今日は、そんなお話です。
みなさんは電車の中といえば、何を思い浮かべるでしょうか?
なんだって? 三菱製のボイラー?
そんな想像するヤツいねぇよ! ボケッ!
じゃあ、はい、そこのあなた。
………そう! 正解!
携帯ゲーム機ですね。はい正解。
というわけで、雨と風の先日の話、電車の中でDSをプレイする大人が一人いたんです。(ここにね)
プレイしているソフトは、三国志大戦・天です。
これがね、なかなかね、はまるんですよね。陣形と計略を巧みに組み合わせた作戦が決まると、
ほんっと気持ちいいですね。呂布を開始5秒で撤退させたときなんて、あんた!
……はい、そういうわけです。
で、まぁ帰宅時の電車、雨つゆのしたたる傘があちこちに見える車中、
もくもくと手すり横の席で、DSをつついていました。
すると、妙に熱っぽい視線を感じました。
あれ、これはもしかして、恋する視線かな? 或いは目から怪光線かな? 後者だったら死んでるな
と思いつつ、視線の出先を探すと、なんと、
いるんですよ。
私のスグ横に、小学生が。
いかにも「ハカセ」と呼ばれていそうな、メガネで半ズボンの小学生が
手すりから大きく身を乗り出す格好で、私のDSを覗き込んでいるんです。
こ、このやろう。
いくら小学生といえど、この、巧みなタッチペン裁きによる軍隊操作をそうそう見せてやるものか。
と。
覗き込まれているという嫌悪感が、私の腕を動かしていました。
ちょっと角度を深くして、覗き込めない感じでプレイすることにしたんです。
が、
さすがそこは小学生のやんちゃさですよ。
もう維持でも見てやろうという意気込みで、凄まじい不自然な体位になってまで、
DSを覗き込んでくるのです。
そうくるか。
かくなる上は、必殺技を出すしかないな、と。
DSをパタンと閉じてやりました。
さぁ、どうする。
覗き込むものがなければ、さしものハカセも手が出まい。
そう、
甘かったんです。
私は、この小学生のポテンシャルを測り損ねていました。
それが、今回の敗因と言ってイイでしょう。
小学生を、ハカセを侮っていたことが、まだ私の甘いところです。
DSを閉じられてしまった小学生は、
手に持っていた傘で、床に落ちている水玉をツイーツイーと広げ始めたのです。
ははぁん、DSの画面を見られないものだから
退屈しのぎに傘で手悪さしてるってわけだな。
ハカセといえど、まだ若いな。
しかも、かなりその水玉広げ遊びに夢中になっている様子で、
いつのまにやら、私の横から、彼は離れていました。
さあ、DSさん、続きをやりましょうか。
と、
私は、槍隊の張飛を突撃陣形の呂布にぶつけようと、攻城に向かっていた張飛を反転させました。
さらに、その張飛に呂布を釘付けにしている間に、神速の計略を使って夏侯淵を一気に、敵城門になだれ込ませようとタッチペンを動かしました。
しかし! なんとしたことでしょう。呂布も神速の計略を使って、夏侯淵の方を追うじゃありませんか。
(しまった! 夏侯淵をダシに、張飛で攻城すべきだったか! なんていう浅はかさだろうか!)
結局呂布に、夏侯淵・張飛と順にやられ、私は負けてしまったのです。
負け戦の悲しみから、ぼんやりと目が床を向いてしまう私でしが、
そこで見た映像に衝撃を受けました。
なんと
さきほどのハカセが傘で床の水をなぞっていた軌跡が、
ものの見事に、私が正しく動かしていれば負けなかったであろう、張飛と夏侯淵の移動軌跡だったのです!
ハ、ハカセッ!
君というやつは、たったひと目で、正しい軍略を見抜いていたなんて……。
孔明と呼ばせてください。
ハカセ!
P.S
11月15日はコミティア90。ぬ26aブースで新刊とフリーペーパーと福袋を引っさげて待ってます!