第八回文学フリマレポート | でたとこTRY@CATCH!

第八回文学フリマレポート

第八回文学フリマレポート

優騎です。
第八回文学フリマ、行ってきました。

実は私が参加している文学サークル(TRY@CATCHではないです)も出店する予定だったのですが、
諸々の事情により不参加になってしまいました。残念です。
出店を期待されていた方がいらっしゃったとしたら、場違いですが、ここで謝罪させていただきます。

ちなみに、その「諸々の事情」により、当日は私、15:20頃(閉会40分前)に喪服でどうにか滑り込みました……。
ひとりブラックなオーラを放っていたのは私です。申し訳ありません。
隣に月宮がいなかったら、かなり浮いていたかもしれません。

さて、かつて小規模だった文学フリマも、ついに300サークルが参加する大イベントになったんですね。
前回までは会場が秋葉原。今回から蒲田。
「人の入りは減るのではないか?」と内心不安だったのですが、杞憂だったようです。

閉会まぎわなのに、たくさんの人が吸い込まれるように会場入りし、
会場内は、それはもう文学熱で湯気がでているのではと思うほどに、大盛況の様子でした。

売る側も買う側も熱い!
やはり文学フリマは、本好き文学好きには、最高に素晴らしいイベントですね。
ひとつひとつのサークルを見て、わくわくしっぱなしでした。


嬉しかったのは、もう無くなっているだろうと思っていたカタログがまだ残っていたこと!
事前にろくなチェックもできなかった私は、周回しつつカタログでサークルチェックをいたしました。

同時に悔しかったのは、パフォーの原稿受付、「先着50名」にまだ間に合ったらしいということ……
当日は行けないかもしれないと思っていたので、パフォーについては諦めていたのに、ああ、書いておくんだった。
ま、こちらはネットでも投稿できるので、折りを見て。

全体を回って感じたのは、コミックマーケットやコミティアなど、漫画が主体の即売会と比べて文学フリマは売る側の熱がとても高温だということ。
よってらっしゃい見てらっしゃいじゃありませんが、「手に取ってくれ!」という声かけが元気。
大学の文学サークルの参加が多いせいなのかもしれません。(つまり若いってことかしら?)
そう大声で呼ばれては、こっちも見てみよう、という気になります。

……が、私が求めていたのは、「本格ミステリー」小説、あるいは「本格ミステリー」評論だったので、
呼ばれても大抵のサークルの本は、手に取ることすらありませんでした。
(そう、本格ミステリーを扱うサークルは僅少なのです)

戦利品は以下
・カルテット・ダンス (Anonymous Bookstoreさん)
・カルテット・ダンス2(Anonymous Bookstoreさん)
・清龍vol.6(清龍友之会さん)
・清龍vol.7(清龍友之会さん)
・WASEDA bungaku FreePaper vol.016_2009_spring(早稲田文学編集室さん)

総額2000円。今回は出し惜しみしました。(だってCOMITIA88でも出費したんだもん)


カルテット・ダンスは、月宮が「本格って書いてありますよ!」と発見してくれたもの。
ブースにて、「これは本格ミステリですか?」と尋ねると、
「はい、本格ミステリです」というきっぱりしたお返事。ならば、迷うまい、と購入。

清龍については、以前、知り合いから「面白い」と聞いたことがあるのを思い出し、
さらにカタログにも本格だと書いてあったので、ブースに突入させてもらいました。
こちらも「本格ですか?」の問いに、「Yes,it is」の返事。

帰りの電車(2時間も揺られるんですよ)で清龍vol.6を読んだのですが、これはなかなかハイクオリティ!
特に「紋章学研究会の狂騒」は、アマチュアの本格ミステリ短編として、相当に上質でした。
毒チョコのオマージュ+逆説――。だけでなくて色々素晴らしい! ほんとうに本格好きでなければこうは書けない。
「ゴミ屋敷の手品師」も、軽妙でテンポの良い会話と巧みな筆致で、ぐいぐい読ませる。
解決も意外でこれもまた面白い。
この本は短編以外の企画も楽しくて、かなり濃厚です。本格好きにオススメ。
買って良かった! というか、vol.1から全部買うべきでした。

毎回目当てにしている探偵小説研究会のCRITICAですが、
どうやら最新号は夏コミから出るようで(毎回そうなので)、ブースすらありませんでした。
薄い希望として、もしかしたらヴィンテージ・ミステリ・ブック・クラブが新号を出すかな、とも思っていたのですが、
そういうこともなかったようで。
ミステリ評論関係はちょっぴり寂しかったかな、という印象です。

それにしても、多くのサークルがレベルの高い絵師さんorデザイナーさんを抱えているようです。
ジャケット絵やポスターが奇麗なところが多い印象を持ちました。
文学系の同人誌即売会にも拘わらず、ぱっと眺めた印象は、コミック系のそれと大差ありませんでした。
やはり、ジャケットが目立つと手に取りたくなりますしね。
これからは文学同人でも、文章×絵の時代ということでしょうか。


いつかTRY@CATCHで、或いは別のサークルで、文学フリマには必ず参戦したいという思いを強くした1日だったそうな。