ファミコンが消えた日 | でたとこTRY@CATCH!

ファミコンが消えた日

マジで勘弁してください……。
足の親指。
爪が剥がれるとか……。

痛いッス……。遺体ッ酢……。

一体僕がどんな不始末をやらかしたと言うのですか。
足の親指ですよ?
そんな箇所の爪が剥がれるというのは、おかしくありませんか?

指の爪を剥ぐって、ときおり拷問などで行使されるものでは?
しかもあなた、足の指ってのがこれまた、もう何とも言えない痛みですね?

ご想像にお任せできませんので、説明いたしますと
「痛すぎます」という事です。

赤い肉がのぞく指に、絆創膏などを貼り付けました。
まぁ、なんというか、応急処置としてはなかなかの対処です。
靴下をソッと履きますでしょう? 途中で絆創膏が靴下にひっかかって

ウギャアアアアアアアア!

靴を履くじゃないですか?
まあ、いいですよ。そこまでは。ある程度、履けましたよ。
さて、かかとを踏まないように、しっかり履かないとね。つま先でトントンと。

ウギャアアアアアアア!

満員電車だと?
ちょっと、待て。今日だけは待て。1人につき20円やるから、待て。
今日だけは……

ウギャアアアアアアア!

家に帰ると、絆創膏を貫通して靴下が血まみれです。
貫通シュートですよ。
4歩走って投げるんです。

はあ。
なるほどと。
どうしてこんな目にあったのか。分かった。

昨晩、あまりに子供達がゲームをやり過ぎるため、家内が激昂したのでした。
仕方なく、ファミコンとスーパーファミコンと任天堂64を封印し、PS3のダウンロードコンテンツも削除したのです。
突然目の前から全てのゲームが消えて、悲しんだ長男は、
随分前のファミ通の付録についていた「スマブラX」攻略冊子を、ひたすら読んでました。
それを見て、幼き日の自分を回顧したのです。
自分も、ファミコンを母親に隠され、1年余りプレイ出来なかった辛い日々があった。
あのとき、決めたのだった。もし自分が親になったら、子供のファミコンを隠すまい。
そう、決めたのに。
なのに、あの時の母と同じことを、私はしてしまったわけです。
だから、ファミコンの神が天罰を下さったということなのですね?
そうなのですね? 十六連射の神様。