"モモ"


大都会では、長いこと見られなかった光景が繰り広げられていました。 

子どもたちは 道路のまんなかで遊び、車でゆく人は車をとめて、それをニコニコとながめ、時に車をおりて いっしょに遊びました。

あっちでも、こっちでも、ひとびとは足をとめて、したしげに言葉を交わし、互いのくらしを詳しくたずねあいました。

仕事に出かける人も、いまでは窓辺の美しい花にめをとめたり、小鳥にパンくずを投げてやったりするゆとりがあります。

お医者さんも、患者ひとりひとりにゆっくり時間をさいています。

労働者もできるだけ短時間にできるだけたくさんの仕事をする必要など もうなくなったので、ゆったりと愛情をこめて働きます。

みんなはなにをするにも、ひつようなだけ、そしてすきなだけの時間をつかえます。


いまでは ふたたび、時間はたっぷりとあるようになったからです。