キモ哀しい話 | StayⅡ ~ 第弐章 再び聞け~

StayⅡ ~ 第弐章 再び聞け~

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ある日の夕方、原宿駅から新宿駅まで山手線に乗って移動するときにソレは起きた。




電車内は相当混んでいた。

この節電の中、車内はエアコンもない状態で、モワっとしている。




何とか乗り込むが、次々に奥へ押しやられる。すし詰めだ。




オレの前に、若干スペースが出来ていた。




そのスペースに大柄な男がオレに背を向けて見事に入り込み立ちふさがった。




身長は185くらい。中肉デブだ。

髪型はIKKOみたいな感じ。ぱっつんぱっつんのベージュパンツ。見るからに柔らか素材の伸縮系だ。

その伸縮系パンツからは、ヌメっとしたケツの形やインナーの形までもが見て取れた。

上はぴちぴちの変な柄の半袖のシャツ。




「何だよこいつ・・・。でかいし、衣装もキモいなぁ・・・。」そう思ったが気にしないでいた。




オレはラルフの白のシャツに黒のパンツ。そして黒のジャケットにピンクのチーフを差していた。
純白のシャツは、第2ボタンまで開けていて、鍛え上げられた胸元がチラリ。










そう。ヤツは間違いなくオカマだ。しかも完全なる男性型のキモい方のオカマだ。

不覚にもそいつはオレに欲情してしまったらしい。









しばらくすると、そいつのケツがオレの股間にあたる位まで近づいて来た。





オレは左手にバッグ。右手に資料を持っており、ノーガード戦法状態だった。

完全に腕からの攻撃を封じられていた。




車内は暑いし、そいつのケツ全体がヌメっと生温かい。

両手はバッグと資料でふさがり、身体にひねりを入れても、吸いつくようにケツを寄せてくる。

鳥肌が全身を包んだ。








オレは迷った・・・。







このまま後ろから膝を蹴り上げ、玉を粉砕してやろうか・・・。

でもすでに玉を抜いてるヤツだったら効果がないし・・・。

しかもこの混雑の中、トラブルを引き起こせば、何だ何だという事になってオレまでオカマのくくりをされるのは不本意だ。

つらい状況が続いた。







明らかにヤツは昂ぶっていた。息も若干荒い。

ケツも一層の生温かさを醸し出してきた。







キモい。キモすぎる・・・。







検討に検討を重ね、オレは少し小さな声で相手を威嚇する事にした。







ふと横に目をやると、若いOLが眉間にしわを寄せてこの光景をチラ見していた。

眉間にしわを寄せているという事は、完全に今のこのプレイをオレたちが楽しんで行っていると思われているに違いない。

そう。すでにオカマくくりをされているんだ。

この混雑のなか、キモいと感じたOLは、オレとの距離を意図的に離してきていた。








違うっ、違うんだぁぁぁ・・・・







ヤツもオレが受け入れているものと思ったのだろう。更にぐいぐいとケツを押しつけてきた。

言っておくが、ケツほっぺじゃなくて、中心部をだ。






「おい」





耐えかねて、オレが小さめに切り出した。怒り口調でもなく、優しい口調でもない、感情のない口調だ。




それでもヤツは、このあとオレに誘わるものと確信したかのようなドヤ顔で振り返りオレを見た。




オレは相手が振り返りきる途中でカブせた。











「殺すぞお前」










ヤツは「えっ?」みたいなキョトンとした顔をしていた。

あたかもそれは「今日ないの?」みたいな顔をだった。

そして少し不満げに足早に電車から降りて行った。












残されたオレは、さっきのOLと目があい、軽く会釈するしかなかった。