今回の地震による柏崎原子力発電所の放射能漏れ事故によるメディア各社の報道で気になる事がある。
放射性ヨウ素という発がん性物質が流れ出たという事実があるのだが、殆どのメディアは単にヨウ素の放出が確認されているとかいう記述が説明不足による誤解を招きかねないので修正をお願いしたいところだ。
ヨウ素は人間に必須の元素で、海草やかん水などに含まれており、自然界に多く存在し、このヨウ素が欠乏すると様々な病気になるで、積極的に摂取している人も多い。
放射性ヨウ素と普通のヨウ素は別物です。誤解をされないような明確な記述をお願いしたい。
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ヨウ素は、我々の体に必須な元素の一つで、体内では主として甲状腺という頚部にある小さな臓器に集まっています。一方、原子力発電所ではウラン235の核
分裂で発生する熱を利用した発電が行われていますが、この核分裂の結果生じる様々な放射性核種の一つに放射性ヨウ素があります。
原子炉事
故の結果、燃料棒に損傷が起こると、最終的にはこの放射性ヨウ素が他の放射性核種と共に環境中に気体として放出される場合も考えられます(放射性プルー
ム)。放射性プルームが漂っている間に放射性ヨウ素を吸い込んだり、放射性プルーム通過後でも放射性ヨウ素で汚染した食物、ミルクなどを摂取したりするこ
とにより、体内に放射性ヨウ素が取り込まれます。
人体は放射性ヨウ素と普通のヨウ素を区別できないので、放射性ヨウ素もまた甲状腺に集まり、甲状腺の集中的な被ばくを引き起こします。その結果、比較的低い被ばく線量で甲状腺ガンの増加が、高い被ばく線量では甲状腺機能低下症が起こります。
チェルノブイリ原子力発電所の事故後には、子供の甲状腺ガンの増加が観察されています。
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