From:ななころ
Northlinkカフェより
◆スルガ銀行は1棟オーナーにどう対応する?
かぼちゃの馬車オーナーに対して「代物返済」が実現。
かぼちゃの馬車オーナー257名分、約430億円分の借金がチャラとなりました。
このことは以前お伝えした通りです。
スルガ銀行の決算からも読み解くことができます。
2020年05月28日「かぼちゃの馬車オーナー等の代物返済は本当に行われたのか?スルガ銀20年3月期の決算から読み取る」
しかし、これですべて解決かというと、まったくそんなことはありません。
実はシェアハウスローン全体のたったの1/4に過ぎません。
まだシェアハウスローンの融資残高は1500億円以上残されているのです。
そして、すでに1500億円のうち400億円以上が延滞状態。
(支払いできなくなっている or 支払停止)
さらに言うと、1棟アパート・1棟マンションの融資残高はまだ1.2兆円も残されています。
いわゆる1棟ものは、この先いったいどうなるのでしょうか?
スルガ銀行はどう対応していくのでしょうか・・・?
◆進まない元本カット
ブログではすべてを公開できないため、先日メルマガで詳細をお伝えしましたが、実は元本カットは一向に進んでいません。
スルガ銀行は寄り添う姿勢を見せる一方で、元本カットの結果が出ている人は、まだ誰一人としていないのです。
スルガ銀行は「順番に回答している」と言っていますが、昨年のかなり早い段階で申請した人ですら、回答が出ていないのです。
(現在、元本カット申請の結果が届いている人は「元本カットできません」の回答のみです。)
一方で、かぼちゃの馬車は、2019年9月11日に被害弁護団はスルガ銀行に早期解決を求める調停を東京地裁に申し立て、2020年3月には代物返済の回答が出ています。
なぜ、かぼちゃの馬車オーナーは代物返済が認められ、1棟モノのオーナーには元本カットの回答が出されないのでしょうか?
なぜ、こんなにもスピードに違いがあるのでしょうか?
◆なぜ元本カットが一向に進まないのか?
このような状況の中、かぼちゃの馬車で代物返済を実現したスルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(SS弁護団)が、1棟モノオーナーの代物返済交渉を検討していると報じられました。
=== 記事一部抜粋 ===
SS弁護団、一棟アパートも「一括スキーム」で交渉
スルガ銀行(静岡県沼津市)が不正に融資した投資用不動産の問題解決をめぐり、スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(SS弁護団)は6月27日、シェアハウス所有者が同時に抱える1棟アパート・マンションも一括スキームでの解決を目指す方針を示した。
一括スキームの詳しい仕組みは「まだ固まっていない」(山口団長)という。ただし、1年前からスルガ銀行が救済策として交渉を受け付けている「元本の一部カット」については、SS弁護団がとる解決策としては現実的ではないとしている。個別ごとの交渉になり、長期戦を余儀なくされることが理由の一つだ。
スルガ銀行では、元本一部カット交渉の希望人数は約3000人に上るという。しかし面談が実現したのは、そのうちの6割にすぎない。
(2020年07月06日 全国賃貸住宅新聞)
=== ここまで ===
記事には「元本一部カット交渉の希望人数は約3000人」であり、そのうち面談まで進んだのは「6割に過ぎない」とあります。
つまり1200人近くがまだスルガ銀行との面談まで進んでいないということになります。
たしかにオーナーは全国各地にいます。
しかもコロナで動きも制限され、スルガ銀行も行員に感染者が出たりと、対応を制限せざるおえない状況です。
元本カットが一向に進まないわけです。
この記事でSS弁護団が言うように、「「元本の一部カット」については、SS弁護団がとる解決策としては現実的ではない」とするのももっともです。
そのため、かぼちゃの馬車オーナー257名一括で代物返済を実現した手段と同様に、一棟モノについても一括で代物返済交渉を検討しているのだろうと推察されます。
(ただし、ななころが把握している限りでは、2020年7月8日現在、SS弁護団ではまだ1棟オーナの相談は受け付けていないとの回答です。)
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◆これからどんどん苦しくなる・・・
元本カットが一向に進んでいない状況ですが、これからどんどん苦しくなる1棟オーナーが続出してくる可能性もあります。
これまでは何とか耐えていたオーナーも、このコロナが追い打ちをかけているからです。
家賃滞納が増え、外国人入居者が少なくなり、店舗からの家賃減額交渉や退去も相次いでいます。
さらに、九州地方で甚大な被害を出している豪雨が、これから本州を襲う可能性もあります。
今年も台風被害が頻発する可能性もあります。
実際にこの長引く雨によって漏水し、天井が崩落してしまったオーナーさんがいます。
スルガ銀行融資の物件で収支が回っておらず、適切な修繕が施せていないことが原因です。
どんどん負のスパイラルに入っていくことも考えられます。。。
◆1人では解決は難しい
1棟オーナーがこの窮地を打開するには、1人の力では難しいです。
元本カットが進んでいない状況を、このまま待ち続けていては何1つ解決しません。
先日相談を受けた女性は、「考えたくもない」と放置していましたが、窮地に立たされてようやく事態を重さを理解しました。
今では1から不動産投資を勉強し直して、前向きにがんばっていらっしゃいます。
金利引下げにも成功しました。
ですから、もしスルガ銀行から融資を受けて苦しんでいる人は、現実から目をそらさず、1人で抱え込まず、誰かに相談されることをオススメします。
ななころも相談は受け付けていますが、先日メルマガでご案内したところ、問い合わせが殺到していてお待ち頂いている状況です。
そのため信頼できる先輩大家さんでもいいです。
とにかく現状打破に向けてまずはすぐに行動することをオススメします。
◆編集後記
不動産投資をされている方で、勉強や情報収集のための時間とお金をケチる人が多いことに驚きます。
たとえば、英語や資格取得のために、長い年月をかけて高い受講料や月会費を払ったり、参考書を買ったりする一方で、多額のお金を失う可能性のある不動産投資にはお金を払うことに躊躇するのです。
子供の習い事だって、毎月1万円~5万円はかかります。
1人で成功できるという自信のある方もいるでしょう。
1人でできる方はいいのかもしれません。
とはいえ、これだけ不動産投資で苦しんでいる人が多い原因の1つは、ここにあるのではないでしょうか!?
勉強や情報収集のための時間とお金をケチってしまっているのです。
怠っているのです。
偉そうに言っているななころも1棟目の物件は大失敗してしまいました。。。汗
夜眠れない時もありました。
それでも復活できたのは、それだけお金と時間を費やしたからだと思っています。
コンサルを受けるために30万円を支払ったりもしました。
どうかわずかな時間とお金をケチったばかりに、多額なお金を損したり、後戻りできない状況まで追い込まれるなんてことがないようにして欲しいと感じている次第です。
(とはえい、詐欺的なコンサルや業者もいるので十分にご注意ください)