十二代目市川団十郎さんが亡くなった。
自慢じゃないが、60年にもなる生涯で歌舞伎は数年前に宮城県民会館で松本幸四郎の「勧進帳」を一度見たきり。
団十郎さんの芸風を云々することはおこがましいが、報道を見る限り、先に亡くなった勘三郎さんと共に歌舞伎一筋芸に励む求道者だったようだ。
団十郎さんで思い出したのだが、家にはいつか蚤の市で買った歌舞伎の意匠、市川家の家紋「三枡」の金具があったはず。
思い出してブログネタにと引っ張り出してみた。
横4センチ縦2センチのこの金具、目貫とか呼ばれる刀装具だと思っていたが、調べてみるとどうも違う。
どうやら、胴乱と呼ばれるキセル入れとセットの煙草入れに付いていた金具のようだ。
意匠は、歌舞伎十八番「暫(しばらく)」をモチーフにしたものらしい。
荒事と呼ばれ見栄えもすることから、海外公演の英題は「Just A Moment」
民衆が役人や公家にいじめられる場面に団十郎扮する「鎌倉権五郎是正」が
「暫(しばらく)!」と出てくる舞台らしい。
英語は「ちょっと待て!」と訳したのか?
最近、後先返り見ずの輩のきな臭い話が出てきたり、肝心な臭いものにフタをしたり、有象無象が跳梁跋扈し始めているこの日本。
誰かそ奴らを、「暫!」と、団十郎張りに目ん玉ひん剥いて、やっつけてくれないかしらん。
