江戸の指跡なにげなく入った仙台の骨董店ふとみると懐かしげな景色の山水のそば猪口いつものくせで底を見ると、二つの指跡らしきもの すると裏側にもう一つ、親指の跡があるはず これは釉薬(うわぐすり)を掛ける時についた指跡親指、人差し指、中指の三本で器をつかんで釉薬の泥に浸す時に残った跡ボクの見立てでは、この猪口は「切込焼(きりごめやき)」とすると、嘉永の頃160年ほど前の名も無き職人の指跡こんなさみしい冬の夜は、そんな時代のことをしのんでみましょうか?