長町駅からちっちゃい電車に乗った。

住宅街をぬって走るオモチャのような鉄道だった。

90度に曲がるカーブでは乗客がきゃあきゃあ言っていた。

やがて前方の線路が途切れた。終点だった。

乗客は知っていたのか、知らなかったのか、前に行く者、戻る者、ぞろぞろ不満を言うわけでもなく歩きだした。

線路の上を戻り出すと、線路脇に携帯電話がゴロゴロ転がっていた。あのヘアピンカーブは乗客の携帯電話を振り落とす場所だった。

ポケットをさぐると携帯電話がない。必死になって探した。

似たようなものがあったのでもらっちゃおうか?と一瞬思ったが感触が違うのでやめた。

困った、困ったと考えていたら目が覚めた。

寝床のわきをまさぐるとボクのスマホがあった。

もしかしてオレ、あれほど悩まされたこのスマホを、愛し始めているのかもしれない。