大相撲一月場所(初場所) は昨日、常勝の横綱白鵬が3敗目を喫したため、大関 把瑠都が13 勝 0 敗の成績で13 日目 で優勝を決めた。

今場所優勝を逃すことになった白鵬の、1敗目でむかえた11日目の稀勢の里戦の立ち合い前の表情を見ていたら、あの木鶏の話を思い出した。

昔中国で、紀という名人が王様のために闘鶏を育てる逸話だ。

育てて10日目、ぼつぼついいかね?という王に紀は、「まだいけません、空(から)元気の最中です」と答える。

10日後催促する王に、「まだいけません、相手をみると昂奮(こうふん)します」と答える。

さらに10日後、「まだいけません。相手を見ると何が此奴(こやつ)がという風に嵩(かさ)にかかるところがあります」と答える。

ボクが思い出したのはこの場面だった。大横綱の白鵬がどうしてそんな表情をするのかとその時思った。でも勝負は白鵬の勝ち。気迫が溢れ過ぎだったのかな?とも思った。

ところが12日目13日目まさかの連敗。予言者ではないがやっぱしと思った。

話は戻るが、闘鶏育ての名人紀はさらに10日後、王にこう答える。

「もうぼつぼつ宣(よろ)しうございます。相手が挑戦しても一向平気でございます。ちょっと見ると木彫の鶏のようで、その徳が完全なのでございます。どんな鶏だって、もう応戦するものなんかございますまい。皆退却しましょう。」

白鵬にここまでの境地を求めるのは酷だろうか?

「イマダ モッケイタリエズ」・・・白鵬が尊敬し目標とする双葉山は、69連勝を逃した日、友人にこう打電した。

白鵬のさらなる精進、木鶏足らんとすることに期待したい。