政府が放射能汚染情報を出し渋る中、専門の火山学を生かしいち早く「放射線マップ」を作成公開した群馬大学教授早川由紀夫氏が同大学学長から「訓告」処分を受けた。

理由は福島の農家に対し「セシウムまみれの干草を与えて毒牛をつくる行為も、セシウムまみれの水田で毒米をつくる行為も、サリンを作ったオウム信者と同じ」などとツイッターに書き込み、再三の注意にも改善しなかったことだという。

福島の農家を、地下鉄にサリンをまいたオウム信者にたとえれば、それはあんまりな言い方だとも思わないでもないが、氏に言わせると、「暴言は認めるよ、でもこういう暴言を吐いて強制的に伝えないとならないくらいな事態だ」ということらしい。

チェルノブイリ、あるいはそれをはるかに超えたとも言われている原発事故に対し、この国の政府は、福島の住民や経済に、さしあたってダメージを与えないような形で対処している。当初の爆発の際も、危険区域を大きくとって福島の住民を一斉に避難させる方法を採らず、米などの農産物もとりあえず作らせて、出た数値で対処する方法を選んだ。

最近福島産の放射線基準値超えの米があいついで見つかっている。

先日、駐日の外交官と話をする機会があって日本人気質の話になった。

「やがて世界の人々は、相手に対してはっきりとものを言う方が大勢になっていくのでしょうね」とボクが言ったら、その外交官に「その気質は世界で日本人だけですよ」と言われた。

「和をもって尊しとなす」

危機に直面し、この隣人とは争わず、口数少なく波風を立てないのが美徳と育てられてきた我々の生き方が、岐路に立たされているような気がする。