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田舎住まいですから、少し車を走らせると四季折々の景色や草花が目に飛び込んできます。春なら、タラの芽。秋なら自然薯などの食べるものが多いのですが、それらの季節になりますとそのことばっかりが気になって走ってしまいます。

たらの芽の頃なんか、遠くからでも目に入ってしまう。その季節になると、頭が空っぽになって「頭がタラっぽになる」って言ってるんですが、そればっかりが気になってしまいます。

この頃は先日ブログにも書いた「山百合」、がそれになります。頭が山百合?・・・どんな頭なんでしょう。

先日も群生を見つけました。だがあいにく国道沿いの民家の脇。断わって写真を撮らしてもらうことにしました。

「すいません、あんまり山百合がきれいなもんですから、写真を撮らして下さい。」

「ちょっと待ってください。」娘さんとおぼしき人物。・・・・いや、ちょっと大げさになってしまったぞ。

「いや、お構い無く。ただ写真を撮るだけですから。」

「そうやって写真を撮ってらっしゃるんですか?」

プロとかアマチュアカメラマンと思ったんでしょうか?美しい婦人が出てらっしゃいました。

「えぇ、まあ、その・・・・ブログにしたり・・・・・」、ちょっとしどろもどろになってしまいました。

おじいさんのくせに、昔読んだ、青年が貴婦人に恋をする「谷間の百合」という小説を思い出してしまいました。

「百合が大好きで草刈りの時に、気を遣ってもらったらこんなふうになったんですよ」

いいですね。美しい方だったから言うわけじゃないですけど、こんなふうに草花や自然を愛する気持ち。

日本人て、昔から長屋の軒先のわずかなスペースでも、朝顔や鉢植えの花を育てたりするんですよね。

東日本大震災、福島原発事故のダメージにうちひしがれた日本。ともすれば自信を失いそうになってきます。ボクは勇ましいナショナリズム高揚の話より、こんなことから「日本人って素晴らしいんだよ」って、勇気をもらいます。

「山川草木悉有仏性」・・・・・道元禅師。

生きとし生けるもの全てに命あり、感謝。