「あなたは勝つものとおもってってゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ」                                       土岐善麿(ときぜんまろ)

 終戦の日でしょうか?歌人土岐善麿はこう詠みました。

 彼は戦争推進派ではなかったようです。老妻がつぶやいた言葉に、初期の頃の勝利にでしょうか、一時は浮かれた自分を、見透かされた男の気持ちがにじみでています。

 日本は何故あんな無謀な戦争に突入したのでしょうか?とことんやれば負けるとわかっていても、どこかで誰かがタオルを投げ入れてくれると言う甘えがあったのでしょう。

 赤紙と呼ばれる召集令状が来ます。たった1枚の葉書に何故、文句も言わず従ったかわかりますか?断れば父や母、兄弟が辛い目に遭うからです。ずるがしこい為政者はそこをたくみに突いて来ます。

 寺山修司は「マッチ擦る つかの間の海に霧深し 身捨つるほどの祖国はありや」と詠いました。

 終戦から六十有余年、果たして今の日本は「身捨つるほどの祖国」になったのでしょうか?

 ボクは、あんな人たちが仕掛けた戦争で死ぬのはご免だなあ。

 この美しい国土と肉親のためなら、いつでも死ねるけど。