この「漫才病棟」は、タケシとキヨシとおぼしきコンビが、浅草をねじろに地方のドサ回りや、刑務所、精神病院などで漫才を繰り広げるのだが、一向に芽が出ない物語だ。
最後の光明、テレビディレクターに見出されて浮かび上がるチャンスも、フイになりそうで終わる。
ボクはこんな話が好きだ。
つげ義春の「ねじ式」とか、一連の温泉ものなどもそうだ。
主人公は、これ以上ないような社会のの底辺で、一体どうしてこの先暮らしてゆくんだろうという生活。
まるで、夢でうなされた時のようなもどかしさの世界。
もしかしてボクは、この実生活では「お試し」出来ないドロップアウトの世界に、憧れているのかもしれない。