著者: 佐々木 敏

タイトル: ラスコーリニコフの日

いくら面白かった著者の本だからといって、今回も面白いとは限らない。

しかし自分が著者のファンだからということで、いきなり本屋で買おうものならひどく損をしてしまうことがある。

この場合の損とは、本の内容が可でも不可でもなく、記憶や心にも何の印象も残さず、書斎に置いてはいるがもう一度読みたくはならない本である。

つまらない本であれば、二度とその著者の本は買わないと思ういい機会であるし、捨てたり売ったりしてもなんの後悔もなく、むしろさっぱりするくらいである。

こんな惨めな思いをしたくないのであれば、図書館のネット予約の利用をオススメする。

もちろん新刊を今すぐ読みたいと思う、例えば続編であったりシリーズものであったり、タイムリーな時事ネタ本である場合は別として、1年以上前に発刊された本だ。

そういった1年落ちの本であれば、1ヶ月も予約を待つこともなく長くても2週間ほどで借りることができる。

図書館ネット予約とは、図書館の貸し出し本をネットで予約して入荷したら取りに行くサービスである。

手順も簡単で①地元の図書館で図書カードをネット予約できるような登録をする。②パソコンから図書館の予約ページに行き、借りたい本の検索をする。③貸し出し情報を確認し、予約者が少ないようならその場で予約する。④本を取りに行く図書館を指定し、あとは本を貸し出すという内容のメールを待つだけ。

この行程が、誰も予約がいなく自分が取りに行く図書館であれば2日、新刊でいろんな図書館に10冊ほどあるが、予約が50人入っている場合でも2ヶ月ほどで借りられる。

また何冊か借りようと予約して、貸し出し可能メールがバラバラな日に連絡が来ても1週間ほどであればキープしておいてくれるし、借りずに流すことも可能だ(マナー違反さらにはルール違反な気がするが…)。

しかも、つまらないと判断した本は途中でやめればいいし、何冊も借りて通常の図書館の貸出期日である2週間を過ぎてしまっても、電話がかかってくるまで返しに行かないでいる。

こうすることで、わたしは図書館で借りた本の中から時間がたってもう一度読みたいという衝動に駆られた本を買うことにしている。

ただいくらなんでも図書館の閉館が早すぎない?と感じるのはわたしだけだろうか。

そんな便利な図書館から借りた本で、その後「買い」のサインが出たものに 佐々木敏著の「ラスコーリニコフの日」というものがある。

内容は「ありえねー」というものを資料や知識で塗り固め、読み終わる頃にはこれは真実だと思うほどになっていました。

現実に起きた荒川区の長官銃撃事件や某K共和国ならやりかねないということをこれでもかと制作段階でつじつまが合うようにうまくぶち込んで、最後に全貌がどーんと飛び出るサプライな展開は見事です。

変な言い方ですが、本にはそれぞれ能力があると思っています。

勉強したいのであれば教科書や参考書、眠りにつきたいのであれば頭を使わない本やきれいな文章や詩・聖書?テレビを付けながらの時は短編やすぐやめられる本、こんなぐあいに泣きたいときにはとか時間を潰すときには等、あげられると思います。

さて、この「ラスコーリニコフの日」という本の能力は、時間泥棒です。

寝ている間の時間認識ないように、この本は読んでいる間の6時間ほどを消し去ってしまいます。

墓場に持って行きたい(わたし的には志賀直哉の「暗夜行路」)と思う本ではありませんが、電車から降り損ねて5駅ぐらい、山手線なら1周してきてしまうほど没頭するのは確かです。