Alexander Zverev 6-4,6-1,6-1 Kei Nishikori
試合を終えて、自分の予想していたよりも早くプレスルーム2に現れていたようで、会見を聞くのが途中からになってしまった。。。
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— Roland-Garros (@rolandgarros) 2021年6月6日
178センチは日本人男子では高いほうだ。だけど178センチと198センチ。体格リーチの差は歴然。
ケイの肩の付け根から指先までの長さは、サーシャの肩の付け根から手首ぐらいまでの長さ。ゆえ、ケイがどんなにストレッチしても届かないボールも、サーシャなら届く理屈。ネットをはさんでの接近戦で、それを如実に感じた。ボクシングでフライ級と超ヘヴィ級が戦う感覚。
これが実力と書き晒すのなら、最初から勝負あったで視聴しなければいい。ジョコビッチやナダルなら抑えるというなら、最初から彼らを応援し、ケイのファンをやめればいいだけのこと。見る側にとってはそのほうがよほどストレスもかからない。
サーシャに比べて明らかに背も高くなく、パワーも多くなく、ランキングも当然高くないと最初からわかっている。じゃあ彼を、なんでわざわざ4時に起きてWOWOW料金を払って視聴するの?そこにかすかながらも希望を見出しているからじゃないの?彼の必死に頑張る姿に自分を重ねているからじゃないの?
価値がないと思う中で見ようと決めたのは自分の意思。彼を見ようと決めた自分の意思は自分の責任ではないのか。
ケイの今年のフレンチオープンは4回戦進出で幕を閉じた。
ドローを見た時から、ラファ、ジョコ、ロジャーが向こう側で、こんなことは滅多にないこと、ケイにチャンスめぐってこないかなぁという思いを持っていた。
が、一方ケイの行手には、1回戦はともかく2回戦にカレンが控えている。ここがまず関所になるだろうなぁと思っていた。予想以上にアレッサンドロに苦労し5セットマッチになってしまったのは、結果論だけど4回戦まで進んだことでそれより先に行くという視点で考えれば、まずこのアレッサンドロ戦をストレート2時間以内で抑えなければならんかった、と感じる。
そして次のカレン戦も。
だからケイは、楽しくなかったと漏らしたんだろうなぁ。グランドスラムでどこに目標を置くかで、序盤の戦い方が大いに左右されるような気はする。正直、復帰してまともに臨んだ初めてのグランドスラム。従来のケイなら4進出ぐらいを目標に考えるのかもしれないけど、まだ今の所シードもつかず行く末が未知数な場合、1戦1戦が勝負になるのかなぁ。。。今のランキングでのグランドスラムにおける戦い方がとても難しいなぁと自分は感じる。
序盤から強敵と当たる可能性が大いにあるので、そこを従来のようにストレートで勝ち進んで体力温存なんて甘いことは言ってられないように思う。カレンもバウティスタも、ストレートで退けられるほどケイのプレイはソリッドでない、と自分は感じる。客観的に見て。順位は正直。もし彼ら強豪難敵をストレートで退けられるぐらいにソリッドになってるなら、順位はもっと上がってるでしょうし、逆に言うなら、その順位なら20位台をストレートで退けられる可能性が高いというのは、ケイが5、6位だった頃、バウティスタやドミ、ニックにきっちり勝っていたという事実が証明していると思う。
問題は、ケイがどこまで上がっていけるかってところだと自分は思う。
今日サーシャの凄さを目の当たりにして、いや、ダニールもそうだけど、ステフもサーシャもダニールも、マッテオも、もちろん大御所ドミも、若いヤニックもおそらくセビもカリトスも、今のヤング世代は、体格も非常に良いのに守備範囲が広い。
カレンはパワーはあるが、サーシャに比べるとディフェンスと感情コントロールにややつけ入る隙がありそう。アンドレイはよくわからん。
ジョコ、ナダル、ロジャーがいて、彼らをも恐れさせるのがドミニク、ダニール、サーシャ、ステフ、マッテオだと常々自分は思っている。もうこれ8人。トップ10の席はあと2席しかない。ここにいかに食い込めるか、だわなぁ、もしトップ10復帰するんだとしたら。グランドスラムの8に入るにはここを絶対に倒さなあかん。
サーシャらにいかに勝つかというより、まずは10位台以降に、いかにコンスタントにソリッドに勝つか、ということを視点にしたほうがいいように自分は思う。
トップ10復帰を目指すのは本人だけども、見る側の考え方の問題。いきなりサーシャを倒せという一足飛びにはいかないだろうと思う。まずはゴファン、バウティスタ、カレーニョブスタ、モンフィスなど10位台前半に鎮座する選手に確実に勝てる、大丈夫だと自信が持てるようにならないとその上を破るというのは難しいんじゃないかなぁと感じる。
今、10位から20位の選手に勝つのにどうしてソリッドじゃないんだろうと考えると、まだそこに至ってないからなんだろうなぁと。アレッサンドロ戦もカレン戦も、なんとか試合の山場までゲームを運んで、最後をソリッドにプレイして勝てたという感じだった。本人もそう述べていたけど。あれが試合の最初から出るようになれば、もっともっと楽に勝てるんだろうなぁ。。。
バルセロナのペラ戦もガリン戦も、最後は本当に素晴らしいプレイだったけど、そこに至るまでにかなり苦労しもつれる。
劇的に勝つから見ている側は、いい試合だったと感じてしまうけど、それが決勝戦なら万々歳なのだけど、トーナメントだから。。。
しかも、アジアンゆえフォキのような強靭な肉体は持ち合わせていない。
体力回復云々とかって、うちら野山を駆け巡り狩猟しながら生活していたんじゃないんだから。そこはどう努力を払っても、遺伝子の持つ限界があるでしょう。
アジアンにはアジアンの勝ち方があるはず。なんだろうけど、そこを見いだしグランドスラムを優勝したアジアの先人は、台湾系のマイケルぐらいか。。。
日本人がグランドスラムを制覇するという観点で考えるなら、190センチぐらいの学生を見出し、それようにトレーニングさせた方が早いような気がする。が、日本じゃそういう長身で体格のいい学生は、大抵野球に進む。テニスに進むのはどっちかと言えば、小柄でひょろっとした学生のイメージが強い。そして自分は、日本人にグランドスラムをとって欲しいという思いでテニスを見ているのでない。
ただケイを見ていたくて、少しでも長く見ていたくて、勝ち進んでいて欲しいと願う。ケイニシコリに勝ち進んで欲しいと思ってしまうのは、ケイの醸し出す雰囲気とか魅力とか色々あるんだわなぁ。。。何よりも本人がそこを渇望しているのがすごく伝わってくるから。今日も最後は力尽きてしまったけど、どんなに追い込まれてもなんとか自分を奮い立たせて活路を見出す姿に、スコアはボロ負けなんだけど、こうなったら最後まで目に焼き付けていようという気持ちにさせられた。
敗因は、決め球のミスが多かったというのは悔いる点ではあるけど、それもおそらく敵がサーシャという強敵だからという点もあっただろうと想像する。
常々書いてるけど、ケイのライヴァルだったデルポ、チリッチ、ラオニッチの大型3選手と、サーシャ、ステフ、ダニールは2メートル級の大型でも全くタイプが異なるということ。ここにどう太刀打ちできるのか?口で理論を説明するのは簡単でも実際それを実現するのは非常に困難でしょう。かと言ってプロたるもの勝負前から白旗上げるわけにはいかない。彼らを撹乱するチャンスがあるんだとしたら、自分は芝だと踏んでいます。
今はゆっくり休んで欲しいという思いでいっぱい。とにかく怪我に気をつけて、これからもいっぱいいっぱい楽しませてほしい。まだまだ存在感を発揮していて欲しい。テニス選手は星の数ほどいれど、私にとってのスターはあなたしかいません。