1957年版 「暖流」 | All the best for them

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好きな人と好きな人に関連するあれこれ、好きな物、家族とのことを細々と、時間があるときに綴っています。





















 

とりあえず、私の中で全豪オープンは一区切りついたので、

11日に放送され小出しで見ていた「暖流」のことを。


たまたまBSプレミアムの番組欄で目に留まったから、

興味が沸いて録っていた映画。

もともとの「暖流」ってどういう風なんだろうはてなマーク

平成版では志摩啓子と結ばれた日疋が、

何でぎんを選んだのか、ず~っと知りたかったから。


超・レトロな音楽と、超・早口なセリフ、

おまけに超・早い場面転換には面食らったけど、

それ以上にびっくりしたのが、

根上淳さん演じるハンサムで切れ者だけど、女心に疎い日疋祐三を始め、

気高いお嬢様啓子も、子猫のように神出鬼没なぎんも、気取った笹島も、

主要人物が、み~んな平成版と姿形がそっくりだったこと。

平成版はこの57年版を参考に人選したのかと思うくらいに。


当然のことながら、根上淳さんの日疋祐三が純大さんの日疋に重なる~ビックリマーク

私が知っている根上さんと言えば、

ちょっと厳しい感じのきつい人というイメージなんだけど、

日疋祐三を演じる根上さんは、甘いマスクで非常に魅力的な方。

で、気になってWikiで調べたら、ドイツ系の方だったのね、納得。

もう亡くなられているというのに、私、ちょっと惚れてしまいました恋の矢

結局、日疋という人物が、

女の人から見たらかなり惚れられやすい男前なキャラということなのでしょうけど。

だけど、この日疋さんって人、

ぎんに「好きになられてはこまる」とそっけなく言いながらも、

ぶらんこに乗りながら笹島医師の秘密をもらすぎんの話をじっくり聞き込んだり、

派出看護婦会に職場を変えたぎんに、

「気が向いたら来て下さらない?」と誘われると「あ~」と返事したり、

「情婦でも二号でもいいんだから待ってます」と別れ際叫ばれたら、

わざわざ引返して「わかったよ」と答えたり…

啓子に強い憧れを抱きながらも、ぎんのことを完全に拒絶は出来なかったのよ。

でもって、「同類だ」なんて言われたら、ぎんじゃなくてもその気になってしまう。

いくら公の気持ちと個人的感情を一緒くたにするなと言われてもね~


で、お目目ぱっちりの啓子さん。

着ている服がどれもこれも可愛い、私好み音譜

だけどさ、一目で日疋さんのことを好きになったのに、

何で笹島医師と婚約したのか。

日疋の自信にあふれた態度が怖くて圧倒されたくなかったそうだけど、

彼女が飛び込んできたら日疋さんならいつだって受け止めてくれたと思うのに。

しかもついに彼から告白されたときにも、じらしてしまって。

日疋の本心を確かめたかったのか、

ぎんに遠慮したのか、

はたまたこの状況にしばし酔っていたかったのか…

私だったら、汽車の時間がせまって出て行く彼を、一目散に追いかけたと思う。

どうも彼女の行動は後手なんだよね。

タイミングが悪くて、踏み切る時期を誤った感あり。

結局日疋と啓子の、平成版のように切なくなるようなシーンは一度もなかった。


そして、めでたく日疋を手に入れたぎん。

彼女は今でいう肉食系女子ね。

直球勝負で、ばんばん押しまくった。

平成版吟花は、かなり意地悪で、

相思相愛の日疋と啓子の仲を切り裂こうとする嫌な存在だった。

こちらのぎんも、喜怒哀楽は激しいしかなり強烈なキャラだけど、

美しく聡明な反面ちょっとお高くとまって本心を見せない啓子に比べて、

はるかに人間的だし、飽きない人。

もし私がこの映画の中の2人のうちどちらと結婚したいかと問われたら、

断然ぎんと結婚した方が、おもしろい人生を送ることが出来そうに思う。

日疋に「同類」と言われて、ぎんは俄然自信つけてしまったような。

彼女の一途さについに根負けしたのか、

危険を冒してまで自分に尽くしてくれる彼女に申し訳ないと思ったのか、

2人して暴漢から逃げ切ったときに、

ついに、「キミはぼくにとってどうしても必要な女だってことが

今になって分かったような気がするんだ」とぎんを抱き寄せる日疋さん。

砂利の上で繰り広げられたこの告白シーンが、

ワイルドでとても刺激的だったよ~

ぎんを選んでホッとした様子の日疋さんの笑顔がとってもステキ音譜


愛しい日疋さんを手に入れて幸せいっぱいのぎんも、可愛いニコニコ


啓子に求婚しておきながら、

返事を待たずしてぎんとの結婚を決意した変わり身の早さはさておき、

「負けたんだよ、彼女のがむしゃらな愛情に」と啓子に言った日疋さん。

結婚に愛情は当然の条件としても、自分に尽くしてくれそうとか

かいがいしく世話をやいてくれそうとかいうのも、重要ポイントだったかも。

そして何より、

啓子は日疋がいなくても生きていけそうな雰囲気だったのに対し、

ぎんは恐らく日疋なしでは生きていけないだろう。

ぎんを結局ほっておけなかったのかなはてなマーク

結婚観も、今の時代とは違ったものだとは思うし、

ぎんのやり方が、必ずしも成功するとは思わないけど、

自分のありったけをぶつけて理想の男性を手にしたぎんが、

私にはとっても羨ましく思えた。



やはり昭和の時代も「暖流」の決め手になるのは、

女性目線からでは日疋さんねラブラブ!

改めて、彼のカッコよさを再認識させられました。

こうなりゃ、他の日疋さんもどんなのか見てみたいわ~