『わぁ…っ、、、??
ちょっと、、……なにっ?!』
いきなりスピードを上げ
乱暴にハンドルを切る俺に
身体が大きく傾いて
シートベルトをガッチリ握りしめた
カズが抗議の声をあげた
「あははは、ごめん、ごめん、
スリルを少々…(笑)」
********
地下駐車場
バックミラーに映る
見覚えのある車にふと気づき
あの白のランクルは
確か…?
松本 自らが運転し
スタジオ入りするのを何度か
見かけた事があるよぅな…気がする
猛然と恐ろしい勢いで
迫り来るランクルに
確信。
あれは間違いなく松本が運転し
そして…多分助手席にいるのは大野。
ボーっとしているよぅに見えても
さすが元恋人、
何かを察知し
カズを連れ戻しに来たに違いない
だけど今回は
いつもの様にはいかないよ?
だって、
カズ自身が決断し
俺の所に来たんだ
待ちに待った
願ってもないこんなチャンス

そんな易々と逃したりしない
俺は瞬時に策をねり
あえてランクルに
追いつかせ…
油断させる作戦に出た
*********
後方を確認すると
信号が赤にかわり

タクシーの後ろ
ランクルが動けなくて…
追跡することが出来ず
悔しさに地団駄踏んでいるであろぅ
姿を思うと…
可笑しくて仕方ない
「残念でしたっ!」
してやったりで
浮かれてる俺を
カズが
ジロリ睨みつけて
『はぁ? なに言ってんのオマエ?
それより…、、よく覚えとけっ、
乗り物の揺れとか…
オレほんとダメだから!
今みたいなマネは もぅ絶対ヤメロ!!
う゛ぅ、…マジ気持ちわりー』
シートに項垂れ
ぷんすか文句を言う
何気ないカズの言葉に
「そっか…覚えとく…
けど、なんか、、こーゆーの…

ふふっ… うれしい
これからは俺の知らないカズを
もっといっぱい教えてよ?」
カズを知っていく悦びに
なんだか
くすぐったい気持ちいっぱいで
目を細め見つめると
困ったよぅに
眉を下げ
『そんな つまんないコトで

いちいち嬉しがんないでよ…』
そぅ呟き
瞳を伏せた
こんな時、
カズをとても遠く感じる
手を伸ばせば
触れる距離なのに
俺の想いは
彼には届かない
本当はね
知ってるんだ
好きな人が
幸せになるならって
自分から
手放した人を
カズは俺といる時も…
心は無意識に
来るハズのない
彼が迎えに来るのを

待ってる…
けど、ズルい俺は
それを知っていても
知らないフリをする
だって、…
偽りのぬくもり

それでもいいって思うくらい
あなたが
欲しいから
今すぐは
無理でも
いつの日か
心ごと

俺のモノになって…
|.ω゚)…
つづく。