グロテスク 74 ★ 林 田 ★ | にいののブログ

にいののブログ

(´・∀・`)(*.゚ω゚)おーみやちゃん達の

ゆる~い腐妄想小説もどきです。

読んでいただけたら嬉しいです。










『ちっ、生意気な…左ハンドルかよ。

お高い車乗ってんのね?』


姫が助手席に滑り込み車のドアを閉め
シートベルトをしょうとして…


カチ、カチ…カチ
ベルトの金具を受け口に
差し込もうとするけど

なかなか上手くいかない。



酔えないからとは言え…かなり飲んでたし
おぼつかない姫の手から

「かして…」


ベルトをぐっと引っ張って
金具に手をやる。


顔と顔がくっつきそうな距離に
近づいた途端、


す…っと
姫の身体が固まり…大人しくなるのを感じ
内心ほくそ笑む。


意識してる。









カチ。
「はい、はまりましたよ?」


簡単に装着されたシートベルトに
きまりが悪そうに顔を背け


『あ、ありがと…きっと、、アレだ…

オレに左ハンドルあわないんだ。』


訳のわからないイチャモンをつけ

手持ちぶさたな姫が落ち着きなく…

『…この中なに入ってんの?』

ガサガサ
ダッシュボードの中を漁って…


カーステで聞いてる
洋楽のアルバムを見つけて…意外そうに


『へ~っ、洋楽好きなの?』


「好き、ってゆーか…らく。
考え事しながら運転するから

日本人アーティストだと仕事で
会ったりしてイメージがチラついて

…なんか集中できないんだよねぇ」


あははは
『そーなんだ  …じゃ、今度
ウチらのアルバム忍ばせとこっ♪』






ほら、
また…今度って言った。




今までも食事して
アルコールが入る事が何度もあった

その度に
「家まで送る」って言っても


『大丈夫!  タクシーで帰る。

 オレ領収書集めて事務所に請求すんの

  趣味にしてるから。(笑)』


送られたくない口実を
そぅ言って断り続けてたくせに。




今度も…俺の車に乗って送られる
気持ちがあるんだ?



思わず探るように
じっと姫の顔を見つめる。


『……なに?』



 姫が不思議そうに
 黙り込む俺に首を傾けた。






「…何でもない。
では、姫様 発車しますよ。」


事前にマンションの場所を
聞いてる方向に

ゆっくりアクセルを踏み車を走らせる。






…しばらく
車の流れに身を任せてた姫が唐突に


『これ、聞きたい』

さっき かき回した
ダッシュボードの中から

数枚あるアルバムのうち
1枚のCDを取り出した。



ずいぶん昔に流行った
イギリス人アーティストのアルバムで
一度聞いたら忘れない。


伸びのある高音…

透明感溢れる歌声の彼が奏でる
ミディアムスロウなメロディーが心に響く
バラードの傑作アルバムを俺に手渡した。






CDをディスクにセットする。









アコギ1本のシンプルな
あたたかい音源に

切ない歌詞を紡ぐ
歌声が静かに流れ始める…





窓の外を眺め

『声』に聞き入ってる姫。




ね、この声…
誰かに似てるね…?





街の灯りが
寂しげな横顔を照らし流れてく。


















信号が赤になり


あまりに静な姫に …寝ちゃったの?

助手席に視線を移すと
外を見つめたまんまの姫の…頬が濡れて


「姫…泣いてんの…? 」


『ち、げえぇーーし!!  

アクビだよ、アクビ。飲み過ぎかな?

お陰で今日は久々に眠れるかも…』




ちゃかした口調で強がってるけど…






彼の事を想うと
…眠れない?



似てる声を彼に重ねるだけで

切なくって…
泣けるくらい、



   そんなに好き?













信号が青になり
強くアクセルを踏みこむ


キュ!
車が悲鳴をあげて急発進し


ガクン、
身体が大きく揺れ

『わあっ!?、なに、、

こえーよッ…! …安全運転で頼むよ』


口を尖らせ
膨れっ面して俺に抗議する姫に



「…そんなに辛いなら、やめれば?」

『はあ? …なんの事?』


なに言ってんのか意味わかんないよ!
って眉を潜める姫に








「そんなに辛い恋なら

         大野くん…やめて



 俺にしなよ…  って言ってる」



























                   コッソリ…
Japonism◟|ー゚)ノCD音譜    

つづく。