タクシーをお店の人に呼んでもらって
車がすぐ店の裏口に静かに横付けされた。
おーのさんを急かすように肩を押して
車に乗り込ませようとすると
くるり、振り返り
この期に及んで…
「 やっぱり … ニノだけ
一人で行かせらんない。」
って、言い出す。
何をそんなに心配してんの?
林田のアレは悪い冗談ですよ?
それに急がないと せっかくの作戦が
ダメになる。
『 お願いだから…
これ以上 オレを困らせないで。』
バッサリ
切り捨てて
納得してない表情の おーのさんの
ケツを叩いて、
半ば無理やりにタクシーに押し込む。
『 ごめん… 少し待ってて。
相葉ちゃん連れてすぐに戻るから。』
車のドアを閉めようとした
オレの手を捕まえ
「 …帰ったら

覚悟しとけよ。」
ぎゅっ。
握られた手に 力がこもる。
欲 情 を 秘 め た … 艶 の あ る 低 い 声 に
帰 っ た ら … を 想 像 し て
身 体 の 奥 が、甘 く … 疼 く。
このまま…二人バックレて…
早くっ、
って、
ダメ、ダメっ!!
相葉ちゃんを救出するのが先っ!!
目を閉じ 小さく深呼吸して
そっと
握られた 手を外す。
『 ……行って来ます。』
後ろ髪を引かれつつも
オレは 車のドアを閉め
意を決して おーのさんに背を向けた。
☆*:.。. .。.:*☆ ☆*:.。. .。.:*☆
『 おーい、相葉ちゃん~ アナタにも
もしかして マネージャーから電話あった?
緊急の召集で帰らなきゃだね。
おーのさんは先にタクシーで待ってる、
ってさ。』
オレは なに食わぬ顔して
襖を半分だけ開き
ちょこん、と顔だけを出し中を伺う。
皆、一斉に振り返り
「 えぇ、!?
…ニノちゃん帰っちゃうの!?」
リンが 泣きそうな顔をする。
『 ごめん…。
オレもマネージャーに
食い下がってみたけど… ダメでした。』
マネージャーと話をしていたから
トイレから戻るのが長引いたって
思わせたい…
「 …そぅなんだ。」
リンがオレの嘘を 素直に信じて項垂れる。
そんなオレを
林田が探るように じっと見つめ
顎に手をやり…
何かを考えるように黙りこむ。
林田に深く 突っ込まれてボロが出る前に
早く脱出しなきゃ…
リン…
嘘ついて ごめん。

胸が痛むけど…
でも、オレ… リンの気持ちには
応えられない。
『 本当に… ごめんね、楽しかったよ。
じゃあ、そーゆー事で オレらお先に
御開きにさせて頂きます。
あ、忘れてた (笑)林田 ゴチになります。
相葉ちゃん… 行きますよ。』
「 うん。」
少しホッとしたように相葉ちゃんが
おーのさんのジャケットと
バックを持ってこっちに向かって来るから
『 ごめん 相葉ちゃんオレのも、
ついでに お願い。』
実は…
部屋の中に入りたくない理由がある。
だって、
おーのさんに中途半端に触れられて
多分、
オレ… 今、
えっちな顔してるよね…?
それに…
身体が鎮まりきれてない…
それなのに、
「 あ、姫のバックって これでしょ?」
よりによって、今 一番話したくない
林田がオレの座ってた座椅子の後ろから
バックを拾い上げて 持って来るから…
『 あぁあぁ!? !!?
いいよ、いーって!!相葉ちゃんに… 』
慌ててオレが止める間もなく
スタスタ やって来て
「 遠慮しないでよ?」
にっこり笑い
はい、
ってバックのショルダーヒモを
オレの肩に引っかけた…
『 … ありがと。』
オレはさりげなくショルダーヒモを
肩から外して…
バックをお腹の前に抱え 前を隠した。
「 姫… ずいぶん
色っぽい顔してるけど

何 か あ っ た ?」
きゅっ、と眉間にシワを寄せて
探りを入れる林田に
プチン、
糸が切れる音がした。
オレはオマエのなんだ?
まるで浮気を探る…
恋人みたいで 勘にさわる。
なんでオマエに
答えなきゃいけない?
元はと言えば…
オマエが オレに変な嫌がらせするから
あの 平和主義な おーのさんが
オレだって…見たこと無いくらい
嫉妬に怒り狂ってるんじゃんっ!!!
「 覚悟しとけよ。」
なんて…今まで 言われた事ないよ?
ちょっと怖いんですけど。
林田めッ、…どーしてくれるっ!!
飲み会での諸々…思い返したら
ふつふつ 怒りがこみ上げてきて
一言、言ってやらなきゃ気がすまない…
相葉ちゃんが心配そぅな顔して
「 ニノ… 帰ろ。」
『 …先に行っててもらえます?
裏口にタクシー 待たせてあるから。
オレ ちょっと
林田に 話しがある。』
ピシャリ、
襖を閉め 林田にチョイチョイ、
指で こっちに来てよ…
って、合図する。
「 でも…」
オレの不穏な 雰囲気を感じ取って
相葉ちゃんが尚、心配するけど
『 大丈夫です。
それより おーのさんをお願い。
オレは… 3分で済む。』
「 …わかった。」
チラリ
オレを気にしながら相葉ちゃんが
おーのさんの元に向かうのを目で追ってると
「 そんな3分と 言わず… 姫となら
ずっと…一緒に居たいんだけど? 」
いつもの様に ふざけた事を言いながら
オレとの距離を縮める林田を 睨みつける。
林田のオレに接する態度が
まさか? とは思うけど。
オレは怒ってるんだ!!
おーのさんの目の前で…
あんな冗談は もー絶対にイヤ。
悪いけど、もー出て来れない位、
ガンガン釘を打たせて頂きます。
『 あのさ…
勘違いしてたら ごめんね?
中に…出すとか エ ロ い 事 言ってたから
もしかして… 軽そーなオレと
ヤ れ る、って思ってます?

残念でした。
オレ、そんな 軽くないのよ?』
「 姫、ちょっと待って… 俺は」
しまった…
って 、困った様に 顔を曇らせ
今更 言い訳しよーとする
林田の言葉を遮って
『 それに、
オレん中… 満たせるのは
世界中で…
たった 一人。

オマエじゃないよ。』
♡( *.ºωº 人・∀・`*)ミタス♡
つづく。