アメリカ社会:社会的孤立の増加と信頼の欠如

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孫崎 享 さんの記事です:
 Date:    Tue, 31 May 2022 22:56:16 +0000

 Subject: WP・ワシントンポスト紙抜粋:

社会的孤立と過激派イデオロギーへの魅力との間には関連性がある。
ハンナ・アーレントの全体主義についての記述でそれを報告。2017年心理学と行動科学の研究誌掲載論文は

ワシントン・ポスト紙抜粋:不況は銀行を傷つけるだけではない、米国をより分裂させる。(ヘレーン・オーレン)

 

・今、私たちは分断された国だと思いますか?不況はそれをはるかに悪化させるだろう。


ウォール街は不況の可能性についてますます心配している。

 

JPMorganChaseの最高経営責任者JamieDimonは、景気後退は完全に可能と述べている。ドイツ銀行は、2023年末までに「主要な」景気後退を予測。多くの著名な投資家がこれらの感情を共有。


誰も景気後退を経験したくないという理由だけでなく、それらがすべて間違っていることを願っている。

 

アメリカの生活は赤い警告灯の点滅に悩まされているが、特に2つ、つまり社会的孤立の増加と信頼の欠如は、不況が私たちのすでに困難な政治をさらに悪化させる可能性がある。


孤独から始めたい。これは米国では非常に一般的であり、covid-19が社会的孤立を強める前から流行と言われていた。不況はそれを悪化させるであろう。


そして、孤独は私たちの健康、社会生活、精神的健康に悪いだけではない。それは私たちの政治や市民生活にとってもひどいものである。


社会的孤立と過激派イデオロギーへの魅力との間には関連性がある。ハンナ・アーレントが全体主義について書いたときに、それを報告した。数十年後の2017年に、心理学と行動科学の研究誌に掲載された論文は、孤独な個人が右翼の権威主義政治を受け入れる可能性が高いことを発見。


ドナルド・トランプを支持した人々が他の候補者を支持した人々よりも社会的に切り離されて漂流する兆候を示す可能性が高かったのは当然のこと。


明らかな理由から、景気後退は長い間、政治の不安定さと投票箱の変化に関連。パンデミック時代のインフレの中でバイデン大統領の支持が減少。アメリカ社会は、そのような揺れをより起こりやすくすることに悩まされている。さらに2番目の警告サインである信頼の欠如がある。


ピュー研究所によると、ベビーブームの終わりに、アメリカ人の4人に3人が、ほとんどまたは常に政府を信頼していると述べました。
今では(政治体制への信頼は)およそ4分の1。 1990年代後半、64%が国民の政治的知恵に自信を持っていると述べ、3分の1がそうではないと述べた。 2019年までに、これらの数値は本質的に逆転。


信頼の欠如には不安定さが伴う。 2018年に全米経済研究所が発表した(そして2021年に更新された)ワーキングペーパーは、民主主義では、人々の政府や社会構造への信頼が低いほど、経済危機が政治的リーダーシップの変化につながる可能性が高いことを発見。


信頼性の低い社会は怒っている社会である。今年の11月に議会を支配する政党は、2020年の選挙が盗まれたと信じていると言う政党になることを意味する。


最後に、不況は社会に負担をかけ、私たちの多くに最悪の事態をもたらす。


しかし、それは宗教的および民族的憎悪の時代でもあり、ドイツやソビエト連邦などの場所で数百万人が権威主義政府の脅威にさらされた。


困難な時期は人々をより寛大になったり、政治的に関与する様にはならない。困難な時期はは私たちを結びつけず、私たちを引き離す。


不況が私たちに起こった場合、私たちの銀行口座だけが危険にさらされるのではない。


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https://ch.nicovideo.jp/article/ar2100902

ハンナ・アーレント(Hannah Arendt、1906年10月14日 - 1975年12月4日)は、ドイツ出身の哲学者、思想家である。
ユダヤ人であり、ナチズムが台頭したドイツから、アメリカ合衆国に亡命した。
のちに教鞭をふるい、主に政治哲学の分野で活躍し、全体主義を生みだす大衆社
会の分析で知られる。「アーレント」は「アレント」とも表記する  
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