決闘 足利義輝10 | 時空省 時をかける者達

時空省 時をかける者達

時は25世紀、設立から数百年たつ時空省は2度目の危機を迎えていた。その中で、地球時空省次官【山本誠一】と、臨時副次官【辻谷広行】は、時代や世界観を超えた仲間たちと共に、強大な敵と戦っていく。

 義輝「ほう、そうなのか?其方には、大きなことを成し遂げ、天下を取ろうとする気概はないのかね?」

彼の返答に、すぐさま返答する山本次官。彼は、義輝に対し、ただまっすぐ見つめてこう答える。

 山本「もちろん。それも素晴らしいと思います。現に、自分も努力してえらくなろうとしてナンバー3の地位になりました。…ですが、それは自分の天下のためとかそうじゃないんですよ。ただ、この素晴らしい世界を守るため。そして、自分のせいで犠牲になったもののために、自分はその才を使いたい。天下のためとかではなく、それを超えるもっと素晴らしいことのために、自分はいるのですから。そして、自分の行動で多くの人の力になって、それが波及してもっと素晴らしい世界にしたい。…それだけです。」

 

義輝は、彼の言葉をまっすぐに受け止めた。そうか、単に一天下よりも、彼はさらに大きなものを見ている。義輝は、ただ単にこう思うのであった。素晴らしい!!実に素晴らしいと!そうか、この若者は自分一人だけではない。一人から波及して、より多くの者に波及し、大事をなす。成程、なんでもできてしまった自分は全てを一人で背負い込み、独善になっていたようだ。ああ、そうか。この者は、私よりずっと大きなことを考えているではないか。と、義輝は思う。自分がいた時代では到底思いつかぬことだと。