ゲーニッツ「さて、昼間の件もありましたが、やはり、彼の強さは生半可ではありませんね。おかげで、あの異空間にあった石板も無事回収できたわけですが。面白ことに、今時点での彼は何も知らないと来ている。あの凄まじい冒険を、彼は今から過去へと飛び体験するというのですから。…さて、このまま屋上で一人あの戦いを見ていたいのですが、お時間のようですね。」
ゲーニッツは、指を鳴らすとともに、一陣の風となってその場から姿を消す。残りの聖職者仲間たちと話をするためだ。今後の方針について、話をするためにある場所へ移動したようだ。
他にも、この戦いを見つめるもの大勢。時空省側も、この戦いをひそかに異界中の人たちに映像を流していたのだ。もちろん、敵側もだが。
それにはわけがある。山本次官が気を失っていたさなか、ついに敵側が大々的に姿を現し、戦争が激化していったのだ。その中でも、大将クラスのこの二人の戦いは異界中の善悪全てが湧くほどのことになっているのである。果たして、どちらが勝利するのか?ヒーローか?それとも別のヒーローか?
そんな中、山本に少し疑問があった。義輝公、そういえばあなたはヴィランであったかなという点である。実の所、これはある者が仕組んだ一つの劇であった。男の名は【ヴォーティガーン】。アーサー王伝説における有名な悪役である。