単純にそれだけではない。なんとなく予想はついてはいたが、そもそもカルデアはもう既に存在していないという情報だ。
山本「え、ちょっと待ってください?そもそも、もうカルデアは存在しないということなのですか!」
山本は、驚きの声を隠せない。が、そうしたリアクションをとる間もなく、事態は急変する。突如、別の空間につながっているであろう謎の扉から、何かが飛び込んできたのだ。いや、正しくは何者かに吹き飛ばされ、あの扉をぶち破り、この部屋へと不時着したといった方が正しいだろう。
三人とも、間一髪でよけたおかげで無事で済んだものの、余りの衝撃で吹き飛ばされた者の周りにはクレーターができてしまった。
モリアーティー「げほげほ。いやーびっくりした。突然何かが降ってきたと思えば、ギリシャの大英雄ヘラクレスじゃないか!」
巴「…本当ですね。驚きました。まさか、本当にヘラクレス殿ではありませんか!いったい何が起こったというのですか?」
山本「いや、それは分からない。が、ただ一つだけわかることがある。この感じ。そう、扉の向こうからだ。この気配。…そうか、あいつがこの星にやってきたということなのか。」
?「そういうことだ。この星の英雄よ。…久しぶりだな。」
その山本の言葉に、反応する声がした。間違いない、あの男が再び山本次官の前に現れたのだ。まだこの物語には書かれていないが、山本次官は知っている。かつて、自分が一切歯が立たなかった別の世界に住む堕ちた英雄【セフィロス】の声だ。