ジョン・グレイ博士の「男性は火星から、女性は金星からやってきた」Men are from Mars, Women are from Venus を読んだのは10年以上前のことです。痛々しい経験の後だったこともあり、当時とても感銘を受けたのを覚えています。
特に、胸に響いたことの一つが、
男性が、女性の「不平不満」に耳を傾けることで、女性にも、男性にも、深い癒しが訪れる
というメッセージです。
僕が、衝撃を受けたのが、
「女性の本音を、男性が数分間、黙って聴く」というワーク(実習)だったんです。
参加者同士で、ペアを組んで行ったんですね。
女性が、男性に向かって、
「今なににフラストレーションを感じているのか」
「人生でほんとうに望んでいることはなんなのか」
を話すのです。
なるほど、なるほど、なるほど。
たしかに、黙ってひたすら相手の言うことを聞く、という態度がまさに長い間私に欠けていたかもしれません。
ふだん、女性の不平不満を聞くのは、
多くの男性にとって、面倒だし、嫌で、怖いものなんです。
反射的に反応して、喧嘩になってしまうこともあります。
だから大抵の場合は、逃げます(~_~;)
いやよく分かりますよこれも。
反応筋
最近になって田中信二さんの動画から私が学んだことというのは、こう言うとき、「反射的に反応して、喧嘩になってしまう」状態の時というのは両者の体に、キネシオロジーで反応筋 reactive muscle (いじめっ子筋といじめられっ子筋)というのが出来てしまっているようなんですね。
タッチ・フォー・ヘルスの中には反応筋を見つけるための方法というのがあって、それは片手の平を頭の上にかざしながら、指示筋 indicator muscle (筋紡錘チャレンジなどにより正常に動くことがわかっている筋肉であればなんでも良い)の状態を筋肉反射テストで調べると言うものです。もし反応筋があれば、このときに指示筋が弱くなって負荷に耐えられなくなるのですぐ分かります。
いじめっ子筋という筋肉が頑張りすぎていて、(たいてい複数の)いじめられっ子筋からエネルギーを奪ってしまうことでこれらがふにゃふにゃになってしまっている状態が、反応筋というものです。
売り言葉に買い言葉のようなやり取りになっている時、必ず自分の中に極端に頑張りまくっている筋肉があるようです。
起こっていることは、お互いの体の中にあるアンバランス(この場合は反応筋)が、関係性の中に鏡のように映し出されているということのようです。これを二人の人間がお互いに自分の中に反応筋を作ってしまっていると、自分だけの問題で無くなるのでどうしようもないように感じてしまいます。
いじめっ子筋、いじめられっ子筋を同定して、それぞれの対応する五行や、あるいはそれぞれの担当する動きから、反応筋の象徴する意味合いを解釈することが可能です。
その後で筋紡錘テクニックを使って、いじめっ子筋の筋腹をちょんちょんとつまんで寄せるようにすれば、いじめっ子筋が一時的に弱くなります。この時に、いじめられっ子筋はエネルギーが戻ってくるので強くなります。ほとんどの場合、その後でもう一度調べると、いじめっ子筋も回復して強くなっていますが、いじめられっ子筋も強いままなので、反応筋の関係が解消されたことがわかります。ビデオの興味深い点は、このときに、お芝居をして夫婦関係を再現してみると、反応筋を解消した男性は、平常心のまま奥さんに対応することができるという点です。
反応筋の詳しい話に脱線してしまいましたが、この現象は、悪化した夫婦関係、職場の上下関係、学校でのいじめ関係など、硬直した、問題ある人間関係にしばしば認められるものということですから、このような厄介な事態を解消するための知恵として有用でしょう。
精神世界にハマるとパートナーと距離ができる
限定公開動画なのでここでご紹介できませんが、田中信二さんの「人生を7日間で変える動画メルマガ」に出てくる動画で「精神世界にハマるとパートナーと距離ができる」というタイトルのものがあります。
これを見るまで考えたことがありませんでしたが、キネシオロジーのようなものを知ってしまうと、たとえば、田中信二さんや伊東聖鎬さんの動画というのは、ホンモノだけに、人間心理の問題や、厄介な身体症状に悩んできた人にとっては、驚きでもあり、興奮してぐっと引き込まれるだけの内容をもっています。あるいはレイキのセミナーに行って学んでくると、良いセミナーであれば、おお、これは本物だった、ということに興奮するでしょう。レイキは本物ですから。
セミナーや動画、書籍を通じた学びの体験を同じ場所で共有していないパートナーにとっては、相手のこの興奮した態度自体が不可解であり、不信感を抱かせます。そして、中身を自分で調べようとすると、往往にしてこのような代替医療、エネルギー医療というものの考え方は世間の常識とはかなり違っているため、ますます不信感を募らせます。大切なパートナーが怪しいものにハマってしまった、変な奴らに大切なパートナーを奪われてしまった、寂しい、危険だ、と考えるのがほとんどの場合でしょう。
当然の行為として、このときにパートナーは、「変なものにハマったあなた」をまともな世界に取り戻そうとして説得を試みたり、これらのものを痛烈に批判して見せたりします。
ところが、あなたのほうは自分の学んだものについて習いたての立派な知識があるので、場合によってはデモンストレーションまで交えて「いやいやいやいや、これはこうこうでね、...」と滔々と語って聞かせるでしょう。
これを聞いたパートナーは、いよいよ相手がおかしくなってしまった、と確信を深めてしまうのです。これに対してあなたの方は、「うーん、ホンモノなんだからいずれは理解してくれるはずだ」と思って説得するのを諦めてしまうでしょう。こうなると最初はちょっとした「変なものにハマっているんじゃないの?」という疑いがどんどんと、坂道を転がる雪玉のように肥大化していきます。
どうも、世間の常識とはやや異なる(しかし本当は意味の通っている)精神世界に関する新しい知識が、夫婦間の関係をぎくしゃくしたものにするのはほぼ確かなようです。というのは田中信二さんの動画に出て来る人の多くが似たような経験を話しているからです。二人でほぼ同時に学び始めれば問題はあまり大きくならないのでしょうけど。
この動画で言われていることは、日常生活のほんのちょっとしたコミュニケーションを大切にすることでこれが悪化するのを防げるという内容でした。
私の場合は、このような知識のないままに、いずれ理解する時が来るだろうと言いつつ数年間経過した結果、妻は「私が反社会的なカルト宗教のようなものにハマった」と確信に至ってしまい、もはや一緒に暮らせないと決断するにまで至ってしまったわけです。要するに、人間の悲しい性質として、自分がこうだと思ったことに都合のよい事実だけを集めてきてストーリーを作ってしまいがちなので「反社会的なカルト宗教にちがいない」と思って調べていくとそれを思わせるようなものを見つけてしまうし、私の行為もいちいちがそのように見えてしまい、すべてが証拠となってしまうのでしょう。
大きなところで誤解されたままだというのが残念ですし、もちろんそれが理由で別居というのは残念というより他にありません。
今ではもう手遅れの感はありますが、
女性が、
「今なににフラストレーションを感じているのか」
「人生でほんとうに望んでいることはなんなのか」
を話すのを、男性が黙ったまま聞く
ということを最初の頃からやっていればここまで悪化するには至らなかったでしょう。
今ちょうど、レイキやキネシオロジーを学び始めたという方もおられるでしょうから、同じ轍を踏まずに済むように、次回を込めて今回は書かせていただきました。もちろん、できれば今からでもこの傾聴をやってみよう、と思います。