こんにちは、絶學無憂です。

 

私はキネシオロジーと出会う前にEFTに出会っており、その効果を自分で体験していたのですが、キネシオロジーを勉強してみると、特にESR(感情ストレス解放)などは、EFTと同様、経穴の刺激を用いて感情ストレスを解放するというもので、とてもよく似ているなと感じていました。

 

調べてみると、似ているのは無理もなく、EFTの生みの親がキネシオロジーである、と言えなくもないようです。パトリシア・キャリントン博士が書かれている「The History of Meridian Tapping and EFT」がとても興味深い内容でした。日本語で読めるような本にもあまりこの辺の事情は出ていないようにも思います。出典を明記した上で、著者に無断で日本語に翻訳します。パトリシアさん、怒らないでね。

 

 

経絡タッピングとEFTの歴史

パトリシア・キャリントン博士 Dr Patricia Carrington

 

経絡タッピング meridian tapping として知られる、効果の高い自己救済方法の起源は古代に遡るものですが、その現代の形についてここで触れたいと思います。これらの中でも、TFTEFT(Emotional Freedom Techniques 感情自由技術)のふたつが今日最もよく知られるもので、何十万人の人たちによって世界中で実践されています。

 

経絡タッピング法は由緒ある「家系図」を持っています。経絡タッピング法の起源は古代中国医学であり、「経絡」というのは治療家達が時代を超えて使ってきたエネルギー経路に対する用語ですが、この経絡に対して鍼を用いるヒーリング技術、つまり鍼治療の発達と関係があります。

 

古代の治療家たちは何世紀もかけて技術を洗練し、もちろん鍼治療は今日でも、とくに東洋の国々では広く用いられています。西洋医学の立場からは病院における麻酔のための鍼治療の有用性が認められています。

 

しかし、鍼治療は感情の問題を扱うために発達してきたのではなく、むしろ肉体的な問題のために発達してきたということを知っておくことは大切です。今日でも、鍼治療家が患者をリラックスさせるため、重い不安を軽減するために鍼治療を使うことは時々あるでしょうが、鍼治療は感情の問題に適用するための系統だった方法を持ち合わせていないのです。言い換えると、伝統的な鍼治療や指圧は「心理学的治療」として扱われていません。

 

タッピング法はしばしば「感情の鍼治療」と呼ばれますが、その発達は、間接的にはジョージ・グッドハート博士 Dr George Goodheartに帰することができます。彼はアメリカの著名なカイロプラクター医で、身体を調べて身体が求めるものについての情報を得る正確な方法に基づき、カイロプラクティックの一分野を創始しました。

グッドハートは1962年に、イギリスの鍼治療学会の会長が書いた興味深い本を読んだことをきっかけに鍼治療について知りました。彼は、鍼治療が彼の治療にもたらすであろう可能性に興味をそそられました。グッドハートは鍼治療を勉強し、それをすぐに自分自身の治療法に導入し、彼が開発中であった応用キネシオロジー Applied Kinesiology(この方法では筋肉反射テスト muscle testing によってあらゆる治療の妥当性を決めます)と呼ばれる新しい方法の基盤の一つとしました。

 

鍼治療の鍼を単純な指圧に置き換え、単純に経穴へ手で圧力を加えたり、あるいは経穴を「打診する」、または「タッピング」することで、同等の効能を得られることにグッドハートは気が付きました。この進歩によって、怖くもないし非侵襲的であることから、この鍼治療に基づいた方法がより多くの人々にとって利用可能となりました。

 

グッドハートの功績の上に積み上げるようにして、1970年代にオーストラリア人の精神科医ジョン・ダイアモンド John Diamond が、この発見を一歩押し進め、「行動キネシオロジー」Behavioral Kinesiology と彼が呼んだ変形版を作りました。これはグッドハートの方法の派生物ですが、興味深い要素を取り入れていました。ダイアモンドは、人が特定の経穴に触れているときに、アファメーション(肯定的な宣言あるいは思考)を用い、これを感情の問題を治療するために特別に行いました。この点で、彼の先進的な新機軸は、後の「経絡に基づくセラピー」やエネルギー心理学の発展の先駆けであり、今日これらの最先端には EFTやTFTを含む経絡タッピングを見ることができます。

 

経絡タッピングが発明されるまでにはさらにもう一歩の進歩が必要でした。心理学的な問題を治療するために経穴のタッピングを用いるという概念が広く用いられるようになるためには、何らかの構造が必要だったのです。この構造は、不安障害を専門とするアメリカの心理学者ロジャー・キャラハン博士 Dr Roger Callahan によってもたらされました。

 

1980年代の初めに、彼の患者が直面していた問題、特に不安や恐怖症の問題の数々に対してよりよい答えを求める中で、キャラハン博士は応用キネシオロジーを学び、鍼治療における経脈について学びました。その後、彼はタッピングがれっきとした心理療法となるために必要であった一歩を踏み出しました。キャラハン博士は、感情問題に対する「タッピング」の使用と、同時に直近の問題への集注することとを結びつけたのです。キャラハンは、ある人がタッピングをする時に自分の特定の恐怖に集注しているならば、ときには永遠に、この恐怖が取り除かれるということを発見しました。

 

キャラハン博士の新しい治療法は、彼が経絡について学んだ後で形となったものですが、これは予期しなかった出来事であり、まさに後のEFTの発展を予兆させる臨床的発見へと繋がりました。

 

キャラハンは「メアリー」のために二年以上治療を行っていました。この患者は水に対して極度の恐怖を抱いていたため、不安障害のパニックを生じずに浴槽に入ることすらできませんでした。彼はメアリーにたくさんの不安軽減法を試しましたが、効果は遅く、残念なものでした。メアリーは、彼のオフィスの敷地にあるスイミングプールへ近づくこともできませんでしたし、体が水に触れれば必ずパニックを起こしました。

 

ところがある日、オフィスでこの恐怖について取り組んでいる時に、メアリーはキャラハンに、自分の恐ろしい感情は胃の辺りにある、と初めて語りました。たまたまですが、眼のすぐ下には、伝統的な鍼治療によって、胃経と繋がっているとされる経穴があります。

 

そこで、キャラハン博士はメアリーにこの経穴をタッピングするように頼みました。こうすることで、彼女の「経絡エネルギー系」に生じているかもしれない乱れが整ってバランスを取り戻し、それによって胃の症状を軽減することが出来るかもしれない、という憶測のもとに言ったことでした。キャラハンはこれが彼自身のその後の治療方針や心理学の未来にとって深遠な影響を及ぼすとは知りませんでした。

 

メアリーは目の下をトントンと叩くことに同意しました。彼女がタッピングを行った時に、全く予期しないことが起こりました。単に胃の症状からの解放を経験する代わりに、メアリーは驚いて、水への恐怖が突如として消えてしまった!と、大声で叫びました。あまりにもあり得ないことに思えたので、キャラハンは最初これをあまり真剣に受け止めませんでした。しかし、メアリーが立ち上がってスイミングプールへ向かって走り出したのを見た時に、キャラハンは思い直しました。プールへ着くと、メアリーは水しぶきを顔にかけ始め、そしてキャラハンは注目しました。メアリーはそれまで一度もプールの近くまで行けたことなどありませんでした。

 

この時、キャラハンは実は少し警戒し始めました。メアリーが泳げないことを知っていたからです。そこで彼は、彼女がプールに落ちないように気をつけるため、メアリーの後を追って走りました。しかし、奇妙に聞こえることでしょうが、彼女が水への恐怖について語りながら目の下をトントンと叩いている間に、メアリーの水への恐怖は永久に消え去ったということが分かりました。後にキャラハンの驚くべき発見をEFTと呼ばれるタッピング法へと発展させたゲイリー・クレイグは、この種の劇的な例のことを「一分間の不思議 a one minute wonder 」と呼びました。

 

ある経穴の刺激は肉体だけでなく感情状態にも変化をもたらすという、精神科医ジョン・ダイアモンドの先行研究に一致し、また恐らく影響も受けているのでしょうが、キャラハンは、他の恐怖症を治療するため戦略的に特定の経穴のタッピングを行うことの可能性を模索することに決めました。彼がこの方法を試したすべての恐怖症がメアリーの例と同じくらいあっという間にタッピングに屈したわけではありませんでしたが(しかし驚くべきことに、幾つかの例では同じくらい成功しました!)、彼女の経験は心理学の新しい時代への重要な転換点となりました。

 

文章を繰り返し声に出しながら体の特定のポイントを系統立ててタッピングする新しい方法が誕生しました。このシステムは人々の感情の状態へ好ましい変化をもたらすようであり、そのため、一般的なセラピーでは容易に効果が得られない心理学的問題の治療のために用いられました。

 

ロジャー・キャラハンは自分の新しい方針を献身的に追求しました。彼の方法は応用キネシオロジーの臨床的観察結果を元に築かれていたため、彼自身も筋肉反射テストをこの新しい方法に取り入れて用いました。

 

キャラハンは、さらなる実験により、異なった感情問題に対して、特定の順序で経穴を用いるという方法を見出しました。彼はあらゆる感情問題に対して、正しいタッピングの順序があり、この順序は筋肉反射テストを用いることにより一人ひとりに対して決定することができると結論しました。後に、特定のタッピング順序のそれぞれを「アルゴリズム」と名付けました。これらのアルゴリズムはいろいろな感情問題のそれぞれを標的とした治療というわけです。彼は元々この方法を「キャラハン・テクニークス the Callahan Techniques」と呼んでいました(後に「思考場セラピー Thought Field Therapy (TFT)」と名前が変わりました)が、これを用いることで、キャラハンは臨床において目覚ましい成果を上げました。

 

しかし、多くの症例における驚くべき効果にも関わらず、キャラハンの技術には欠点がありました。タッピングのための正しい経穴の場所を同定するために筋肉反射テストを用いることは、面倒なだけでなく、筋肉反射テストに精通した治療家によってなされる必要があり、彼の方法は自己救済のための技術とはまったく違いました。

 

それに加えて、キャラハンが用いたほどの正確性がほんとうに必要なのかどうかははっきりしませんでした。もしある人が、治療を一回やる毎にすべての12経脈の終点(あるいは体表の他の反応点)をタッピングしたら一体何が起こるでしょうか?筋肉反射テストの必要性を完全に無視することにならないでしょうか?ここで疑問となるのは、ある問題についてタッピングをする度ごとに、「すべての」経脈の終点をタッピングすることで、「海岸線を網羅する」ことが可能かどうか、そして筋肉反射テストを不要とすることができるかどうかです。

 

キャラハンの方法を学んだ人たちのうち、何人かは単一のアルゴリズム法が同じくらい効果があるかもしれない、さらに加えて、大いなる利点として、それならば一般人が家庭で自分たちで実践できるかもしれない、ということを考えつきました。私、パトリシア・キャリントン博士 Dr Patricia Carrington と、スタンフォード大学で学んだ技術者にして個人パフォーマンスのコーチ、ゲイリー・クレイグ Gary Craig は、当時お互いのことを全く知りませんでした。何年も後に二人共同じ結論に達するまで、相手がこの問題についてどういう考えを持っているか聞いたこともありませんでした。その結論とは、単一のアルゴリズムを用いる方法は、キャラハンのTFTのずっと複雑な手順と全く同じだけの効果があるだろうということです。

 

1987年までに、私はすでにロジャー・キャラハンのTFTに基づいた「単一アルゴリズム」タッピング法を開発しており、ワークショップでは私の患者たちに対して使っていました。この方法を私は「アキュタップ Acutap」と呼びました。この方法は、意図的に筋肉反射テストのようないかなる診断方法も用いないものでした。私は単純に、人々が1ラウンドのタッピングをする際に、すべての経脈の終点をタッピングするようにと指示しました。この方法によって、私はかつてはまるで不可能であったようなやり方で依頼者を助けることができました。

 

同じように、ゲイリー・クレイグは、ロジャー・キャラハンの元で集中的にTFTを学び、元はキャラハンの生徒の中でも輝く存在でしたが、彼自身の単一アルゴリズムの方法を使えるようにするため、自身の方法をキャラハンのものと区別することを決めました。

 

こうして、クレイグは、彼自身の単一アルゴリズム方法を生み出し、「Emotional Freedon Technique (EFT)」と名付けて、「キャラハン・テクニークス」と区別しました。1990年代前半から彼はこの方法を教えて続けています。

 

今日、EFTは世界中で最も影響力があり、また最も広く知られたエネルギー心理学の方法です。EFTはアキュタップにはないような幾つかの優れた特長を持っていたため、EFTを試すや否や、私はアキュタップよりもEFTを好むようになり、私はある意味、自分の方法を「崩壊させて」クレイグの方法に融合させました。それ以来、私は彼のEFTと、その新しい派生物をずっと使っています。

 

クレイグがEFTの仕事を続けるうちに、彼はEFTが、ずっと複雑で時間のかかるキャラハンのタッピング法と寸分違わず同じだけ効果的であることを見出しました。彼は、自身の方法の著名な指導者であり、彼の古典的なDVDとマニュアルによって、印象的にも、数十万人の人々がEFTに注目するようになりました。

 

結局のところ、EFTやTFTを含む、あらゆる主要な形式の経絡タッピングは、かつては長く時間がかかりまた多くの場合ほんの部分的にしか効果のないような方法によってのみ治療可能とされてきた、心的外傷やその他多くの感情の問題に対する心理学的治療の方法を劇的に変えることになるでしょう。

 

The EFT Choices Manual

 

2000年に私はチョイシズ・メソッド Choices MethodというEFTの変化形を編み出しました。これはEFTの適用範囲をさらに拡大するものです。今日、世界中で多くの経絡タッピングやEFTの実践者は「チョイシズ」を臨床で用いています。何千人もの非職業的実践者にとっての非常要員でもあり、EFTやその派生物を用いる際の効果を増強するためにこれが用いられています。

 

現在、経絡タッピングは心理学における革命において主要な役割を演じていますが、これはほんの始まりに過ぎません。鍼治療から経絡タッピングへの50余年の旅により、経絡に基づいたアプローチが世界中で認知されるようになりました。元々は、東洋から西洋への旅でしたが、今では、形を変えて、新しいセラピーとして西洋から東洋へと帰っているところです。健康管理の未来予想はとてもワクワクするものです。

 

パトリシア・キャリントン博士(Ph. D.)

 

 

 


 

つまり、EFTというのは、大雑把に言うとTFTから筋肉反射テストを引いたもの、と言うことができそうです。

 

そしてやはりEFTが一番普及したのはそれがとても簡単で効果抜群だからということでしょう。
 
EFT陣営からは、誰でも出来るものではないというところが敬遠されて、不要扱いを受けてしまった筋肉反射テストですが、やり方のコツさえ分かれば、出来る人はすぐに出来るのではないか、と私は個人的に思っています。
 
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