二ひきのカエルが、近所どうしに住んでいました。1ぴきは道からはなれた深い沼に住み、1ぴきは道に沿った水たまりに住んでいました。さて、その沼にいるほうのカエルは、もう1ぴきのカエルに、自分のところにくれば、もっといい安全な生活ができるといってすすめましたが、そのカエルは、なれている場所からはなれるのはいやだといってききませんでした。そうしているうちに、そこを車が通りかかって、そのカエルをつぶしてしまいました。
このカエルは信じられる人がいないのである。そしてどう動いて良いかの方法が分からない。
もう一つ、カエルには欲しいものがない。カエルに美味しい食べ物があれば、カエルは動く。
人は生まれながらにして幸せになることを約束されていると考えたら、多くの思想家から怒られるだろうか。その約束が果たされる条件は自分に素直になることだと私は思っている。
素直さとは自分に正直に生きることである。幸せになると言う約束が果たされる条件とは正直に自分に向き合い真実を見つけることであり、偽りをすてる強さをもつことである。
人はいったん自分を飾りを付け出すと、それをすてるのは辛い。
それは怠惰な生活で身についたしまった贅肉をそぎ落とす苦しさと同じである。健康で長生きをするには苦しくても贅肉を落とす努力をしなくてはならない。それとおなじように幸せになるには今までの生き方を切り替えることである。
「安らぎ」のある生き方、ふれあいのある人生を送るには勇気をもって虚飾の生活、偽善の生き方をたちきることである。しかし、わかっていながら自ら煩わしさから逃げようとする。
人はなぜ動かないのだろうか。
それは今自分のいる位置が分かっていないからである。全体が見えていないからである。今自分がいる場所は地雷のある場所だと分かれば動くかも知れない。
慣れた場所を離れるのがイヤだと言うこと自体が悪いのではない。その位置を分かっていないことが問題なのである。
今日明日気楽に食べて行かれれば、それで良いと思う。そしてその位置を知らなければ動かない。
大切なのは自分の今いる位置を正しく知ることである。
引用:加藤諦三ホームページ