このほど、パナソニックがリファービッシュ家電にメーカーの保証を付けた「Panasonic Factory Refresh」と呼ばれる製品群を発売すると発表した。

 

基から定額利用のサブスク形式(一括払いで購入するよりも廉価で月々の基本料金で、修理などのアフターケアも含めて利用できるシステム)のものでドライヤーや食器洗い乾燥機などは提供していたが、それを白物家電やデジタルカメラ、テレビ・ブルーレイレコーダーなどにも拡大したものである。

 

リファービッシュとは、購入時に初期不良などが発生したり、特にパソコンやスマホなどを中心とした企業・団体へのリース契約満了後の返品(リースアップ)され、メーカーに返品・交換された商品の不具合部品を交換・修正して販売するもので、よくヤフオクやメルカリなどのフリマ系を含む通販サイトなどの中古品系統の類は、このリファービッシュやアップサイクルされたものが販売されており、市価の流通品よりも格安で購入できる。

 

ただ、僕の経験だが、数年前にJ:COMのチューナーのLANダビングができるようにする目的で購入したレグザのブルーレイが、電源がすぐに落ちるという不具合があり、すぐに返品してしまった経験があったように、中古品故のトラブルがあり、しかも保証期間がメーカー純正や大手量販店のように半年~1年ではなく、1週間から長くて1か月程度という短い保証でしかならないなど、リスクもあったりする。

 

また、特にWindows系のパソコンやAndroid系スマホなどのように、できるだけ新しい機種を買ってもらわないとメーカーの死活問題になるということで、リファービッシュやアップサイクルに無関心というわけではないが、余り乗る気ではないメーカーもあったりする。特にWindows11にアップデートできない低スペックパソコンの大量廃棄による、サポート終了の2025年問題というのが大きな懸念や課題になっているのは周知の事実で、これらのパソコンのリファービッシュやアップサイクルは喫緊の課題でもあるほか、スマホやタブレットのAndroid系のものに至っても、特に個人出品の場合を中心に安いものになってしまえばすでにサポートが終了している古いAndroidOS(1ケタ台が多い)のもので、動きがもっさりというのも結構あり、そのままでの最新版へのアップデートができないため、メーカー持ち込みか、個人での修理で最新スペックにする前提のジャンク品とほぼ同じという考え方で買い求める人も少なくはないと思う。

 

テレビも、デジタル化されてからは、ブラウン管はもう完全な過去のもので、再生するにしても部品取り以外にしかならないが、液晶やプラズマなどは高寿命(ただ、当初は大体30型前後までが液晶、それ以上はプラズマの需要と見ていたが、大型の液晶の開発が可能になってからは、むしろLEDの高輝度化によりそちらのほうが需要的に良いという見方もあり、プラズマが淘汰されつつあるが)であり、不具合などが起きたときでもすぐに修理・長寿命で使えるようにできるようになってはきている。現に僕の自宅でのテレビのメイン使いであるアクオスも昨年秋に12年程ぶりに買い替えたものも2007年製であり、特に大きな故障とかも見当たらない。

 

最近ようやく、メーカーによってリファービッシュやアップサイクルの中古品の再活用が増えてきてはいるものの、まだまだそれは少数派なのかもしれない。しかし、各地にはリサイクルショップが続々誕生し、店頭販売の他、通信販売をしている店舗も多数ある。そういった店でも中身を最新版にするなどのリファービッシュやアップサイクルを推進していると思う(中にはそれすらも行っていない店もあるが)。町のリサイクルショップがそのような取り組みをより進めて、中古でも最新スペックで利用できる環境を整えていくことを推進し、それを製造するメーカー側も可能な限りリファービッシュやアップサイクルでの最新版スペックでの利用価値を高める場をもっと増やすために圧力をかけるべきだと思う。