僕もつい最近まで知らなかったのだが、学研都市線の松井山手〜木津間の複線化構想と共に、学研都市線と奈良線を直通する短絡線「片奈連絡線」構想があるという。

 

これは、学研都市線京田辺駅と奈良線長池駅に短絡線を設けて、関西学研都市と京都・奈良方面のアクセスをさらにより良くするというもので、1989年に学研都市線の松井山手〜木津間の全線電化の際に整備に着手すべき路線として位置づけられていたが、その後の大きな進展はなく、2004年の近畿地方交通審議会答申第8号には盛り込まれておらず、現状はこの構想は事実上白紙になっているという。

 

僕も、学研都市線沿線の住民として、全線複線化は実現に向けてほしいとは思っているが、現在、同志社前、下狛、西木津は列車交換ができず、複線化を行うにしても、用地買収や、近接の近鉄京都線などとの関係もあり、期生同盟会の答申も、JRは現状では、複線化をしても、差程メリットは少ないとして、実現は極めて難しいとする意見もある。

 

2040年代とされる、北陸新幹線の福井県敦賀〜新大阪間で、松井山手ルートが予定されているということから、学研都市線の全線複線化は願ってもないチャンスでもあるが、複線化の難しい現在の状況を打破するためにも、片奈連絡線の構想も、もう一度形にして検討できないか。

 

現に学研都市線は、実質的な延伸に当たる東西線を経て、神戸、三宮、西明石や、三田方面を直通するようになり、滋賀県とを結ぶ、琵琶湖線・湖西線、京都線・神戸線方面と並ぶ、京阪神のハブ路線になりつつある。

 

また、おおさか東線の全通で、新大阪・大阪(梅田)と奈良方面の行き来も(久宝寺連絡が大半だが)簡便になったことからも、学研都市線と奈良線の短絡線は不要ではないかという意見もあろう。

 

僕としては以前から、祝園(ほうその)駅〜木津駅の短絡線化 や、JR西日本初の私鉄との相互乗り入れとして、近鉄京都線との相互乗り入れにより、京都駅からの学研都市への行き来の拡充 を訴えているが、それとともに、神戸・三田と奈良方面を行き来する通勤・通学の利便も図るために、片奈短絡線の建設もぜひ選択肢に入れてほしいと考える。


基本的には西明石・三宮・神戸・新三田から尼崎・北新地を経由した電車の乗り入れは京田辺駅で分岐し、片奈連絡線経由で奈良まで行けるようにする。京田辺から木津の現行区間は8両化や複線化が困難であれば、事実上支線化し、207、321系の4両編成を基本とした区間運転の各駅停車をメインとして、朝夕のラッシュ時に現行区間を走る通勤快速を数往復という形にしてはどうか。

 

また、京橋駅の地下化構想も今は停滞しており、旧ダイエー(イオン)京橋店跡地は、暫定的にイベント広場として今夏から利用するそうだが、再整備が本決まりになった際には、京橋駅地下ホームからもおおさか東線・なにわ筋線に直通する列車を設けるべきだろう。

 

大阪環状線との利用者の分散化と混雑緩和を図ることを念頭に、学研都市線から神戸方面の他、御堂筋を走るなにわ筋線にも列車を乗り入れて、乗り換えなして行き来できる場を増やせればよりメリットも増えるはずである。

 

列車も、学研都市線仕様の通勤形(207,321)に加え、京阪神快速の近郊型(221,223,225)も乗り入れることで、よりバラエティーに富んだダイヤを組み込めるはずである。