近年、プラスチックごみの増加が懸念され、東南アジアではプラごみの輸出が禁止される国が目立つようになった。ペットボトルによるごみの抑制を進めるという点で、東京農工大学は2020年からペットボトル飲料の販売を全面的に廃止、コンビニもレジ袋の廃止を予定しているという。

 

ペットボトルは、近年ソフトドリンクやスポーツドリンク・経口補水液などで使用されており、スポーツ施設やコンサートホールではガラス瓶や缶の持ち込みが禁止されている代わりペットボトルは一定の大容量でなければ(大抵は500ml程度まで)持ち込みができるようになっており、一定の需要が増えてきているが、ペットボトルの需要が減ることになると、今後はいわゆる家庭からの水筒やタンブラーなどの持参が求められることになる。

 

ただ、札幌ドームや楽天生命パーク宮城などのように、市販の水筒すらも持ち込んではいけないところもあるため、根本的な解決になるかは不透明だ。持ち込み規制があるところは、基本的に専用の紙コップかタンブラーということになるが、紙コップも返って環境悪化につながらないかという課題も残る。

 

そこで、リターナブル瓶というのが必要になってくるのではないだろうか。よく家庭で月ぎめの牛乳を注文している方や、飲食店のビール、さらに昔のコカ・コーラなどのソフトドリンクを飲まれた方はよくご存じと思うが、これらの飲料はガラス瓶で製造されており、飲み終えたら配達員が瓶を回収し、工場で煮沸消毒をしたうえでボトリングをしている。コカ・コーラなどは、そのガラス瓶を持参した場合、預かり保障金として1本あたり10円がキャッシュバックされたこともあった。

 

またかつてアサヒビールも、缶ビールの感覚で、瓶ごとで飲むことができる「スタイニー」というビールを販売したことがあり、1960年代は5秒スポットと呼ばれるCMが放送されて売れ行きも快調だったが、その後一時的に廃止された。その後、アサヒスーパードライで発売したことがあったが、東日本大震災のあおりで、福島市内にあった工場の被災により廃止に追いやられたという。

 

この、ペットボトルを含むプラスチックごみの増加傾向を考えてみると、ガラス瓶入り飲料の復活を考えたほうがいいかと思う。僕もよく100円コンビニを利用しており、そこでのコストの問題がどうなるかという点も考えないといけないが、コンビニやスーパーにそれを持参した場合、1本あたり5円程度のキャッシュバックをするといったサービス付きで販売してみるのもいいと思う。またスポーツやエンタメ施設では、ガラス瓶や缶は基本NGとなるので、その場合、希望者に専用のタンブラーや水筒をセットにするとともに、家庭からそれらを持参して入れてもらうことで、定価の1割程度を還元するサービスがあってもよいだろう。

 

水筒でも近年は長時間冷やしてくれる魔法瓶の性能もよくなってきているので、そこにビールやソフトドリンクを入れて、涼を楽しみつつ、プラスチックごみの撲滅・削減につながれば、市民のリサイクル・リターナブル意識の高揚にもつながってくるに違いない。