「試しに聴く」とは言っても、正直、どんなもんなんでしょうね?

先日、某ショップの店頭で、「ビートルズ1」が試聴機の中に入っていたので、チェンジャーのディスクナンバーを指定し、聴いてみました。

確かに、再生機器自体全く違うし、音源も「最新リマスター盤」と言う事で、自宅の環境とも全然違うのは明らかです。

一聴しただけで、「ん~、どうも何かしっくり来ない…」と思ったのです。

試聴機本体に標準装備されていたであろうメーカー純正のヘッドホンではなくて、諸事情から「A社のヘッドホン(いかにも音さえ聴ければそれで十分な感じの、本格的なモニタではない代物)」になっていたのです。
(型番に関しても不明)
某再生機器のメーカーの言い分では、「断線などの理由から、ヘッドホンが交換されている場合があり、十分な性能を発揮出来ません(試聴機本来の音で聴く事が出来ません)」と言う事でした。

でも、個人的には、「確かに、そのヘッドホンもヘッドホンかも知れないけど、ヘッドホンだけのせいにしちゃったりしても良い訳ぇ?」と思ったのです。
(↑試聴機純正のヘッドホンなら、それ(A社のヘッドホン)以上に良い音で聴く事が出来るのか…??)

もし、レコーディングスタジオや、ラジオ局など、プロが現場で使っていたり、あるいいは、オーディオマニア御用達だったりする、本格的なモニターヘッドホンに取り替えて試聴してみたら、「試聴機そのものの音質がどの程度のものなのか」が判る事でしょうし、CDの音質自体も、ヘッドホンが変わっただけで、随分(ガラリと)変わってしまう事でしょう。
(試聴機などに起因する「音質の粗(アラ)」が目立ってしまうかも知れません。)

基本的に、ショップに設置されている試聴機は「チェンジャー」になっているケースが殆どですから、その「チェンジャーのメカ」にコストが割かれてしまう分、音質も「それなり」なんじゃないかと思ってしまいます。
「ヘッドホンのせい」にしてしまえば、それもそれで(いろんな意味で)「納得の行く音」だと思いました。
(A社のヘッドホンって、だいたいこんな傾向の音だもんなぁ…、とかね…。)

ショップの試聴機で聴いた音が原因で、「このCD、音が良くない」と思われ、「やっぱ買うのやめた~」となってしまったら、それもそれで憂慮すべき事だと思います。

まぁ、試聴機に「優れた音質」を追求(要求)してしまうのも、ある意味、どうかと思いますし、だからこそ、「試聴機で聴いた音が、必ずしもそのCDの持つ本当の音ではない」とも思うのです。